例えるなら「領空」は自分の家の庭、「防空識別圏」は塀越しに見える公道。勝手に庭の中に入ったらアウト。そして公道から塀越しに中を覗くのなら「何やってんのよ?」と突っ込み入れるよってこと。問題なのは「そこの公道通るのならうちに頭下げろ」と家の住民が通行人に強要したことにあるわけよん。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2013, 11月 28
先日から中国の「防空識別圏」宣言で色々と騒がれている話に合わせ、「領空」と「防空識別圏」の違いをざっくりとしたモノの例えで表現したツイート。覚え書きも兼ねてここでペタリ。
厳密には「領空」は領地の海岸線から12カイリ離れた地点まで。「防空識別圏」(Air Defense Identification Zone、ADIZ)は国際法では特に規定は無く、範囲や定義も結構あいまい。「そこまで来るとうちの領域に入るかもしれないから、ちゃんと事前にこちらに教えないと怒っちゃうぞ(=「対処」するかもしれないぞ)」という領域。陸伝いで国境を接している国の場合は、当然他国の領空上にまでこの「防空識別圏」が達する可能性もある。垣根が無い、庭同士が隣接した家の場合、隣の家の庭でパンツ一張羅のお父さんが運動していると、自分の家のベランダからそれが見えてしまう、それはちょっとまずいよねという感じ。
今件の場合は上の例えにもある通り、中国側の「防空識別圏」の認識が「領空」のそれとごちゃごちゃになっている(あるいは意図的にしている)のが大きな問題。あとはこれまで配慮のためか設定していなかった尖閣諸島周辺への防空識別圏」の設定も一因かな。最近相次ぐ同諸島への領海侵犯に続き、今度は領空もか...と受け止められるのは当然の話だからね(地理的には尖閣諸島上に防空識別圏を設定すること自体はそうおかしな話ではないのだけど、尖閣諸島周辺の「日本の」領空に侵入し、その時に(尖閣諸島の領有権には口を出さず)「自前の防空識別圏だから問題ない」という詭弁に使われる可能性をはじめ、さまざまな圧力行為の材料に使われる可能性が高い)。
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