勉強をしたくとも家族の生活を少しでも支えるため、働かなくてはいけない女の子がたくさんいる。そういった女の子達に教育の機会を与える寄付活動をしたいが、どのような手法を用いればより積極的に寄付が集まり、しかも寄付をした人たちもその行為を実感できるだろうか。その問いに答える手法として発案されたのがこの切り口。
大きなボードに女の子達が学習している様子を描き、その上に特殊なインクでほぼ同じポーズで、裁縫工場で働いている女の子達を描いていく。展示したボードの絵は、最初は働く女の子達。「勉強したくても家庭の事情で働かなくてはならない女の子達に教育の機会を」と、その絵の周辺で寄付を求め、応じてくれた人には消しゴムを提供する。
寄付をした人たちはその消しゴムを使い、絵をこすっていく。すると少しずつ裁縫工場の絵が剥がれ落ち、下に描かれている「学習している女の子達」の絵が見えてくる次第。
寄付をする人自身は、自分の寄付で少しずつ女の子達に学習の機会が与えられていくことを「工場で働く女の子の絵を消しゴムで消していく」行為で実感できるし、周囲に居る人も少しずつ絵が変わり、寄付の効果が出てきていることを確認できる。一度消す行為が始まると、周囲からどんどん人が集まり、寄付をして消しゴムを手に入れ、絵は変わっていく。
仕組みとしては【結果がすぐに、自分の手で分かるとやる気も違うよね】で紹介したのと同じ。こちらの方が「消しゴムをかける」という実行為を伴うので、より達成感があるかな。残った消しゴムは記念として持ち帰れるし、ね。
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