スマートフォンやタブレット機、電子書籍リーダーの普及で教科書もデジタル化が進んでいる。ところがフィリピンのような新興国の世帯では、それらの基材を購入するような余力は無い。携帯電話は普及しているが、それはあくまでも一般携帯(フィーチャーフォン)。多くの子供達が大量の教科書を抱え、毎日遠くの自宅から学校へ通っている。
そこで考え出されたのが、この「Smart TXTBKS」というプロジェクト。既存の教科書の内容を160文字単位で区切って表示できるように編集しなおし、その上でテキストをSIMカードに収録。それをデジタル教科書として子供達に配布した(160文字というのは、SMSで送れる上限でもある。つまり文面のやり取りも考慮しているということ)。子供達はそのカードを自分の携帯電話に差し込み、教科書のように閲覧しながら授業を受ける。これで大量の教科書を毎日持ち運びする労苦から解放されるという次第。
もちろんノートや筆記用具は必要だし、SIMカードに収まるテキストでは対応できない類の教科書もある。それでも子供の負担は大きく軽減されたことに違いは無い。
色々と違和感を覚えるところはあるし、不便な面も多分にあるのだろうけど、発想としては面白い。また、デジタル化も適材適所が必要なのだなということを再認識させる話ではある。
(ソース:
カテゴリ:
コメントする