2014年2月9日に実施された東京都の都知事選挙。これに関する分析......なんだけど、各候補者の得票数などは公的データがあるものの、世代別投票率などは公的機関からは出るはずも無く。出口調査で各報道が行ったものがいくつかデータとして挙がっていて、今回はが取得できたので、それを基にいくつか簡単に精査。
まずは主要立候補者の世代別得票率。各候補者の得票数に占める、個々の世代の得票率であることに注意。
↑ 主要立候補者別・世代別得票率(2014年2月9日実施・東京都都知事選挙、TBS東京都知事選挙特別番組"東京2014")
各候補者の支持層の違いが明確化されるデータではある。特に舛添氏と田母神氏が特徴的。
そして選挙管理委員会発表による得票数がこちら。
↑ 主要立候補者別・得票数(2014年2月9日実施・東京都都知事選挙、東京都選挙管理委員会発表)
この2つのデータがあれば、概算ではあるものの、各立候補者がどの世代がどれだけの票を得たかが試算できる。その結果が次のグラフ。
↑ 主要立候補者別・世代別得票数(2014年2月9日実施・東京都都知事選挙、東京都選挙管理委員会発表値・TBS東京都知事選挙特別番組"東京2014"を基に概算)
ざっと見ではあるが、当選を果たした舛添氏は、60代・70代以上の得票だけで、他の主要候補全体に勝ったことになる。また20代・30代などの若年層からの得票も多い。
さて今回取得したTBS東京都知事選挙特別番組"東京2014"のデータでは、世代別の棄権率が掲載されていない。そこで選挙管理委員会が公開した、「今選挙の全体的な投票率」「前回都知事選の世代別投票率(選挙管理委員会から参考値として提示されている)」双方を比較し、単純に減少率を算出。その率を各世代の投票率に当てはめ、推定世代別投票率を算出。そこから逆算して推定世代別棄権率を出し、推定世代別棄権者数を算出した。ちなみに推定値による棄権者数は581万8574人。実際には575万5092人なので、かなり精度の高い値といえる。
ともあれ、その世代別棄権者数を加え、直上のグラフを再構築したのが次の図。
↑ 主要立候補者別・世代別得票数(2014年2月9日実施・東京都都知事選挙、東京都選挙管理委員会発表値・TBS東京都知事選挙特別番組"東京2014"を基に概算)(推定棄権者数追加)
今回は投票日前日に数十年ぶりの大雪が降り、その影響で投票率が大幅に下がっている(マイナス16.46%ポイント)。とはいえ、若年層、20代と30代の棄権者だけでトップ当選の舛添氏の得票数を上回る投票の権利が放棄されてしまったのは、少々悲しい事実には違いない。
(ここから追加)
......で、初稿を挙げた後、映像が実は東京MXでは無くTBSの特別報道番組のUStream経由であることが判明。しかも再確認しようとしたら(当然っちゃそれまでなんだけど)再生はできず。これでは100%取得元の確定が出来ない。ということで、本家サイトなどでの詳細解説は無し(非常に残念だけど仕方がない)。
代わりに本家でやる予定だった追加グラフを掲載。これは対世代別有権者得票率。二つの切り口でグラフを生成している。例えば舛添氏は70歳以上の有権者の36.3%から支持を得た計算になる。
↑ 主要立候補者別・世代別得票率(2014年2月9日実施・東京都知事選挙、東京都選挙管理委員会発表値・TBS東京都知事選挙特別番組"東京2014"を基に概算)(対世代別有権者数比率)(世代別)
↑ 主要立候補者別・世代別得票率(2014年2月9日実施・東京都知事選挙、東京都選挙管理委員会発表値・TBS東京都知事選挙特別番組"東京2014"を基に概算)(対世代別有権者数比率)(候補者別)
各候補者の支持層の特性が良く出ていて興味深い。
それともう一つ。最初はこのグラフ、有権者数ではなく投票者数に対する比率で算出しようとしたのよね。でもそうすると、どうしても高齢層の計算が合わない。どうやら前回の都知事選の全体投票率を基に概算して今回の選挙での世代別投票率を削る際、全世代を同じ比率で削ってしまうと、高齢層の投票率が足りなさすぎるのよ、これが。
選挙管理委員会からの世代別投票率【年代別投票行動調査結果】は4か月から5か月後位に出るはずだけど、恐らくは若年層ほど前回選挙からの投票率の下がり方が大きく、高齢層はほとんど落ちてない可能性がある。立候補者の特性や天候など複数の要因が考えられるけど、興味深いデータが出てくるのではないかな。
※後日談的補足記事:
【若年層の棄権が多そう...都知事選(2014年2月9日実施)投票動向分析補足】
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