【Twitter"診断系"スパムDMに注意 「ジブリキャラ診断」「この画像何だか分かる?」拡散】
(写真や文章を引用転送盗用するbot系のビジネスモデル。①「面白かったらフォロー、RT」で広めて閲覧者を増やす ②別途情報商材やアフィリエイトをツイートする垢を用意してツイート ③botで時々「②」のツイートを公式RTする ④ウハウハ)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 2月 15
(ポイントはbotと商材ツイートの垢を別に用意する事。これで怪しまれない、と思っているようですね)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 2月 15
(これに気が付いたので、当方は極力「なんちゃら系bot」はRTしないことにしてます。その垢の過去ツイートを確認した上で、それらしい香りが無ければ話は別ですけど)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 2月 15
(bot系追加。「ビジネスモデル云々」としてアリ、という考え方も。ただしその場合、「盗用」は許されないですよね)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 2月 15
これまでにも何度となく目に留め気にかけてはいたんだけど、先日の積雪で東京渋谷のハチ公の横にもう一つ雪像のハチ公が創られた写真が、あまりにも多くの面白系引用・盗用botに流用され、多くが「自らが撮った」かのような口調で語り、集客を試みた結果、同じ写真が何度となくタイムライン上に「自分が撮った」かのように別個のアカウントでツイートされるに及び、少々頭を抱えてしまうに及び、ちょいとまとめた次第。案の定、ハチ公の写真のbotも、そのアカウントのツイートをさかのぼると、ほとんどがこのタイプだった。今や大本の写真が誰によって撮影されたのかすら分からない状態。
仕組みはこんな感じ。運用側があらかじめ「集客用アカウント」と「広告アカウント」を併設しておき、普段は集客用アカウントでひたすら注目を集めるツイートを流す。そして「面白かったらRT」「同意できたらRT」などと織り交ぜ、そのツイートが拡散しやすいように誘導する。一方「広告アカウント」では「集客用アカウント」の言い回しに似せて宣伝文句を書き連ね、広告リンクを貼り、誘導する。
↑ 面白系引用・盗用botのビジネスモデル(一例)
ツイートが拡散されるにつれて、そのツイートが目に留まり、気に入ったのでフォローしようとする人も出てくる。これが繰り返されて、集客用アカウントにはフォロワーが増えていく。
そして「集客用アカウント」側では一定間隔で、「広告アカウント」の広告ツイートを公式RTする。「集客用アカウント」をフォローした人にはもれなく周知されるし、表現が似ているので広告と気が付かずにクリックしてしまう可能性すらある。かくして広告展開は大成功。
他の広告同様ツイッターの広告展開もまた、「とにかく多くの人の目に留まる」ことが大切。「集客用アカウント」のフォロワーが多ければ多いほど、広告効果は高まる。そのためには「集客用アカウント」が多くの人に注目されるよう、人気のある言い回し、画像をツイートする必要がある。だからこそ、先の雪像ハチ公のような事態が起きた次第。
今件のポイントは「集客用アカウント」と「広告アカウント」が別々に存在することにある。同じアカウント上で広告ツイートを行うと怪しまれ、フォロワーがつかなくなるかもしれない。そこであえて別の広告用アカウントを用意し、公式RTという形でツイートすることで、疑われないようにしている次第。また何か問題が生じても、公式RTを外せばそれで済む。「間違って公式RTしてしまいました」とでも言い訳すれば良い。
ビジネスモデルそのものとしては、「広告アカウントで別途広告ツイートをして公式RTを行う」という、偽装的なことをしている点で多少問題はあるものの、非難されるほどのものではない。今件で問題なのは、「集客用アカウント」が集客のために行っているツイートの多分において、文章・画像の無断盗用が行われている点にある。ビジネスのために著作物を法上の引用の範囲を超えて、しかも無断で著作者が自分であるかのように偽装して(つまり盗用して)ツイートするのは、決して許されるお話ではない。
「ツイッターってチャットみたいなものでしょ? 短時間で消えるから別にいいじゃん?」との反論もあるかもしれない。しかしツイッターは元々「ミニブログ」と呼ばれていることからも分かる通り、短文のブログの集合体に過ぎない。それをチャットのように見えやすくしているだけ。ブログ上に他人の写真などを勝手に、しかも自分が撮影したかのような表現で、ビジネスのために掲載したら、その行為が問題であることは、誰の目にも明らか。それと同じである。
単純に「集客用アカウント」でひたらすフォロワーを集めたのち、今件のようなビジネスモデルを運用する人にアカウントを売却する、という手法もある(ツイッターの利用規則上は不法)。またビジネスのことなど考えず、単に面白いからと盗用のツイートを繰り返すアカウントも存在する(この場合、本当に面白がっているだけの場合と、プロフィールから自分の商用サイトなどに誘導するのが目的の場合もある)。
これらの見極めはあまり難しくはない。それらしい公式RTを見かけたら、自分で公式RTをする前に、そのアカウントのツイートをさかのぼり、広告ツイートを定期的にしているか否かを確認すること。「広告アカウント」を複数有し、代わる代わる公式RTすることで自然さを装う場合もあるが、大抵は一定間隔ごとに広告ツイートを公式RTしているので、すぐに分かるはずだ。
「集客アカウント」のツイートを公式RTすることは、多分に盗用ツイートを用いた広告宣伝活動に加担することになる。よく考えて判断をしてほしいものだ。
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