動画を使った権威づけによる偽装事例

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↑ 街中に潜水艦。無論プロモーション用のフェイクだけど、説明が無いと信じられかねない
↑ 街中に潜水艦。無論プロモーション用のフェイクだけど、説明が無いと信じられかねない。【ミラノの街中に潜水艦が浮上するCM】にて詳細説明あり


動画の編集や第三者への公知が容易になったことで、いわゆる「権威づけによる情報の偽装」にも使われるようになった。先日遭遇したのは、ある政治家を糾弾するような話のスレッドが2ちゃんねるに立って、その糾弾を支持するコメントで埋め尽くされたまとめサイト。いつものごとく、その糾弾のソースとなるものが冒頭に挙げられていたけど、それはニュース映像のようなもので、動画へのリンクと、その動画からのキャプチャとして掲載された数点のカット。そのカットだけを見ると、スレッド、まとめサイトの話も、うなづく人はいるのかもしれないなあ、という感じ。

ところが肝心の動画を確認してみると、あちこちの古いニュース映像を切り貼りしたものが数カットあるだけで、あとは誹謗中傷のメッセージばかり。要はアンチプロモーション的な自作映像で、ソースとしての価値はゼロに等しい。「言いたいことは分かった。けど、それの裏付けは? 今現在の状態を表しているの??」みたいな感じ。

使われていたニュース映像の部分はカットレベルでは事実に違いないけど、随分と前のもので今となっては意味・価値が無く、さらに前後関係が省かれている。「そういう意味で受け取ったらダメだろ」的な誤解釈を意図的にしている感は否めない。

にも関わらず、多くの人は動画へのリンクが張ってあることに加え、その動画から抽出したとする静止画が貼ってあることで、その画像を見て信ぴょう性に疑念を抱かず、信じ込んでしまうという次第。「面倒だから動画再生までしてチェックする奴はほとんどいないだろう。画像だけで信じ込んでしまう多数の人を引き込めれば、それでOK」という思惑がありありと見て取れる。

この手法は震災以降の電力周り、放射線関連で、情報の権威付けとして動画をソースとして呈した事例で良く行われていたパターン。肝心の動画が同じような編集バリバリのプロパガンダ映像だったり、新興宗教的な妄想の講演会的なものだったり。映像化すれば、どのような裏付けが無くても、それが絶対権威で正しいものであるとのお墨付きが付く、という誤認のし易さを悪用しているんだな。

最近は検索エンジン以上に、YouTubeの検索結果にノイズが増えているので、こういう類の動画も累乗的に増えている感じがする。気を付けなきゃいけないな。

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このページは、不破雷蔵が2014年2月 9日 06:53に書いた記事です。

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