オンラインゲームをプレイしたことがある人なら一度ならずとも経験があるはずだけど、自分の行動や実環境と比べ、反応が数秒遅れることを「タイムラグ」を略する形で「ラグ(lag)」と呼んでいる。敵が発砲してきて瞬時に避ける操作を入力したはずなのに、ラグが生じてゲーム内のキャラクタの反応が遅れ、命中弾を受けてしまうとかね。酷いのになると、敵が画面上に現れた途端に激しいラグが発生し、それが解消した数秒後には、ゲーム上の自キャラが倒されているとか......
その「ラグ」をリアルな世界で実体験してしまおうというのが、この実験。HUD(ヘッドアップディスプレイ)を装着してもらい、そのHUD越しに周囲を観ながら生活をしてもらうというもの。そしてHUD越しの画像は実態の周辺環境から多少遅れて表示されるという次第。例えばテレビを視聴し続けていて、その時間表示が「7時00分00秒」を表示していたら、その時HUD越しにはまだ「6時59分59秒」が見えているという感じ。
実験では最初は1/3秒の遅れ、そして次に3秒の遅れのモードで被験者に体感してもらっている。日常生活のすべての面において混乱が生じ、何をするのにも思うとおりにいかない(何しろ実態と異なる状況が目に見えているのだから)もどかしさに、なるほど感を覚える限り。このようなラグが実際に生じる病症があるのか否かは分からないけど、あるいは存在するのかもな......と考えると、色々と複雑な気持ちにはなる。
なお画像を見れば分かる通り、スペック上の問題から、HUD越しの画像は結構ギクシャクしていて見にくいところがある。この映像の見にくさによる疲れも、行動上のおかしさの原因の一つかもしれない。技術進歩がなされ、スムーズに表示されるようになれば、もう少し違った結果も見えて来るかもね。
(ソース:【Like Cool】)
コメントする