↑ ビックコミックスピリッツ印刷証明部数推移(万部)
四半期毎にデータが更新される印刷証明部数。そろそろ2014年1月から3月期が公開されるはずだけど、現時点では2013年10月から12月期のものが最新なので、それまでを反映させた形でのグラフ。ビックコミックスピリッツ自身は1980年10月創刊とのことなので、雑誌としての歴史上はもっと部数が上の時期があった可能性はあるけど、現在容易にデータが取得できる2008年4月から6月期以降に限れば、2008年7月から9月期の36.1万部がピーク。直近では19.7万部と半分近くにまで落ち込んでいる。まぁこの減退傾向はスピリッツに限った話ではないんだけどね......ってのは、本家サイトでの記事にある通り。
最初このグラフをアップした後に指摘されて、調べ直して判明したんだけど、そのピーク時の盛り上がりって、同じ小学館のヤングサンデーが休刊したのに伴い、連載陣の少なからずがスピリッツに移籍したことによる効果なんだね。いわゆる「テコ入れ」的な効果ってちゃんと出るんだな。
同時に、雑誌間でよく行われる連載陣の入れ替えや移籍による「テコ入れ」ってのが、よほどのもので無い限り、ドーピングにしかならないこともあらためて分かる。さらに「テコ入れ」云々は別にしても、掲載誌が休刊した場合、たとえ特定の作品のファンであっても移籍先の雑誌を新たに購入することはなく、購読自体を止めてしまう人も結構いるという実態も分かる。
詳細なデータは見つからないけど、休刊直前のヤングサンデーの実売数は10万部前後だったとする話がある。そして単純に半数の作品がスピリッツに移籍し、その読者がごっそりそのままスピリッツにやってくるとすれば、5万部の増加が見込めることになる。しかし実際に増加したのは1万部強で、しかも次の四半期にはその増加分がほぼ損なわれてしまう。漫画雑誌全体の状況が成したものなのか、小学館、さらにはスピリッツ独特の傾向によるものなのか、今件数字からだけでは分からないけど、作品の移籍と読者のシフトを考察する上では、結構有益な資料となるには違いない。
月曜以降、スピリッツ周りでさらに大きな動きが起きてきそうなので、資料構築も兼ねて、覚え書き。
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