フランスの失業率といわゆる「ワークシェアリング」について

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労働時間やら残業手当周りで色々と動きがある関係で、昨今、いわゆる「ワークシェアリング」に関する話が色々と登っているらしい。いわく「ワークシェアリングを大々的に導入すれば失業問題も労働力問題も労働条件問題も解決するよ」みたいな。

で、こういう話が有ったんで色々と調べて昨日ツイートしたのをちょいとまとめた次第。





まぁざっとまとめると、サービス業があまり労働市場の多分を占めていなかった前世紀ではそれなりに状況改善の方策の一つ足り得たけど(全面解決的な特効薬レベルのものでは無い)、環境が大きく変化した今世紀に入ってからは、どうも思惑通りの効用は得られていない。ベーシックインカム(BI)関連で暫く前にちょっとした騒ぎになったのと同様、あるいは太陽光だの移民だのと同じく、「海外の」「昔の」「良い部分だけ」を抽出して声高に叫んだ結果のようにしか見えない。

なんか頭に引っかかるものがあったんでさらに調べたところ、日本におけるワークシェアリングの問題は5年ほど前に一度議論された記録があるのよね。




ただこの時は金融不況・リーマンショックで仕事そのものが減っていて労働市場が求人不足状態だった時の話。要は「仕事が足りない、仕事したい人が一杯。だから仕事を分けよう」という、シンプルな状況下における「ワークシェアリング」的なもの。昨今の話はそうではなく、「仕事はある。仕事したい人も一杯いる」という状況における話なんで、ちょいと首を傾げたくもなる。要は「仕事をシェアした状態でも正規での雇用をしろ、非正規はダメだ」という主張のようなんだけど......

えーと。非正規雇用の拡大って、元々「ワークシェアリング」的なものとして広がった記憶があるんだけど? それに何故「非正規雇用」が拡大しているのか、それを考慮せずに主張が先走りしてる気がする。ちょいと調べると「そのためにも内部留保を活用し云々」という、どこかで聞いた「会計の基礎を一から勉強し直してくださいナ」的なものがあるし。

...ああやはり、多分に「声高に叫べればいい」的な、プロパガンダとして悪用されてるだけっぽいな、今回の「ワークシェアリング」騒動も。

いずれにしても、データとしてこれらの話を挙げておこう。何かあった時にはすぐに使えるだろうから。

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このページは、不破雷蔵が2014年5月29日 06:48に書いた記事です。

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