ヤマダ電機の電子書籍と「インフラ」を担うものの責任

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先日も某楽天の電子書籍サービスの終了で結構モメた話だけど、現在の電子書籍サービスの大部分が、実質的に「デジタル書籍の販売・提供」では無く「デジタル書籍の半永続的貸与権」であることから、この「半永続的」が突然「もうすぐジ・エンド」になってしまうリスクがあるということを、改めて認識させてくれた事例。

簡単にまとめると、ヤマダ電機がやってた電子書籍サービス「ヤマダイーブック」を7月末に閉鎖、購読書籍は読めなくなるし、その後立ち上げる予定の新サービスへの引き継ぎもなされず、ポイントの返金も行われないよという発表がされて、「なんでやねん」という総ツッコミが起きたという話。で、慌てて(!?)それらの問題点について変更がなされた次第。

どたばたぶりを見るに、ヤマダ電機側が電子書籍の運用を相当舐めてた感は否めない。


この指摘もまさにその通り。データのダウンロード、提供としてしまうと、二次三次の再配布が成されて(要は勝手にコピーされて)売上が減るし権利が侵害されるからという事で、現状の電子書籍はほとんどがこの「貸本」スタイルになってるわけだ。PDFが普及し始めた時から、この「勝手にコピー」ってのは、漫画や書籍の電子書籍化における最大の問題点だったからね。でも今件のように、サービスの突然終了などのような事態が頻発すると、利用者の便宜とか不満とかはどうなるのかな、電子書籍そのものへの不信も高まるよね、ということになってしまうのだな。

幸い今件においてはポイント返済と新サービスへの移行が行われるようになったわけで、それは救われるけど、不信感は募るよね。そういう意味では(ダウンロード販売も行っている)Jコミは、一歩も二歩も先に進んでいるのかもしれない。

また、電子書籍ってのは少々オーバーかもしれないけど、その運営はイコールインフラの運営という覚悟が必要だと思うんだな。商売っ気だけでやりくりして、ちょっとアレだからやーめた、というのでは、利用する側にとってはたまったものではない。地味で目立たないけど、人々の生活を支える重要な役割。インフラが担う責務ってのは、得てしてそういうものなんだけどね。今件でも例えば「電気を来月から直流に変えます。契約はいったん全解除になります。使っている電気機器は使えなくなりますが、知ったこっちゃあねえっす」とか言われたら、どうするんだろう、というのと同じと考えれば、事の重大さは分かるよね。

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このページは、不破雷蔵が2014年5月30日 06:42に書いた記事です。

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