太平洋赤道域の状況はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態を示しているが、エルニーニョ現象の発生に近づいた。夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い。
昨日6月10日付の東京株式市場は少々安値低迷の動き。その原因の一つとして、気象庁が発表した「エルニーニョ監視速報」で、今年の夏はエルニーニョ現象が発生する可能性がさらに増加したこと、それを受けて今夏は冷夏になるのではとの観測が広まり、夏物市場にネガティブな影響が生じ得る、だから消費も冷え込むのでは......という、いわゆる「風が吹けばおけ屋が儲かる」的な連鎖反応が多分にあった。
気象庁ではあくまでも「今夏はエルニーニョ現象が発生する可能性が多分にある」「エルニーニョ現象下では冷夏となりやすい」と伝えているのみで、「今年は冷夏になる」とは一言も伝えていないんだけどね(ここからさらに、6月3日が猛烈な暑さを記録した時には、なぜか気象庁へのバッシングがあちこちで発生したという愚かしい話も)。元々気象情報ってのは多分に統計学的なところがあるから。上の動画でも言及されているけど、過去の事例と合わせて考察すると、梅雨が開けない可能性もある。
電力需給関連の上では猛暑よりも冷夏の方がありがたいんだろうけど、消費性向や景気動向の点では、それなりに暑さが到来してくれた方がベターには違いない。実質的な需要に加え、マインド上の問題が大きいからね。
いずれにせよ、言葉通り「お天道様頼り」な状況には違いない。こんな状況を少しでも脱するために、早いところ電力需給問題を解消してほしいものなんだけどねえ。
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