【「父さんがドイツに全貯金を賭けちゃったんだ」 反サッカー賭博キャンペーンに思わぬ誤算、シンガポールで】
詳しい解説は引用元を参照してもらうとして。先日終了したサッカーワールドカップで「ドイツの勝利」という高レートな対象に子供の貯金を賭けちゃった父親を心配する子供を映し出し、「ああ、かわいそうに......」という雰囲気を描いて賭博依存症への対策を啓蒙する、シンガポールの賭博依存症対策審議会(NCPG)のキャンペーン。これがよりによってそのドイツの優勝となってしまい、外れることが前提だったキャンペーンのコピーが、思いっきり逆の意味になってしまったからさあ大変というお話。そりゃそうだ。このままだと「危険な賭け事は時として膨大な富を生み出す」という、審議会の啓蒙内容とはまったく逆のアピールになってしまう。
そこで審議会側では、こんな切り替えしを実施。この巧みさに多くの注目と賛美が集まっている。
↑ ドイツの優勝前後のNCPGのトップページ。セリフを巧みに代えている
ドイツが優勝していなければ、画像の切り替えなどは行わず、そのまま維持され、試合の結果を知ったサイト訪問者が「ああ、この子供が心配した通り、ドイツは勝てなかったのでお父さんはギャンブルで子供の貯金をすってしまったんだな」と、依存症の怖さを知ることになる。ところがドイツが優勝し、このままではお父さんの「勝ち」となってしまう。そこで同じ写真を使い(恐らく元写真のデータを使ってトリミング場所を変えたんだろうね)、後日談的な話の展開を創作することになった次第。
お父さんが賭けに勝って、子供の貯金も戻ってきてハッピーエンド......とはならず、賭けで勝ったお金をさらに別の賭けに使うと言い出し、子供の手元には戻ってこないというオチを付けている。依存症的な状態ではよくあるパターンで、まぐれで勝ちを収めてもそこで止めずに、さらに賭けを続けてしまう、あるある状態が演出されたことになる。
棚からぼたもち的な話ではあるけど、こちらの結末の方が、より強い依存症リスクを表現している感はある。内容はまったく別物だけど、これもまたある意味「ドイツの奇跡」ということになるのだろうね。
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