日本では震災後の事故周りで「放射線の影響で生じた異形の野菜だ」と騒ぎ立て、「そんな形のは普通に作っててもいくらでも出てくる。騒ぐのは実際に畑で採れた果物や野菜を見たことがないからだ」と突っ込まれるまでのパターンが何度となく繰り返されたため、ある程度周知がされたけど、やはり今なお周知度は今一つの「ふぞろいの果物や野菜」。
自分で畑仕事をした人なら必ず見たことがあると思うんだけど、果物や野菜って、本来は多種多様な形をしている。じゃがいもは全部丸くはなく、キュウリは全部まっすぐな形をしているわけでもない。多種多様な形をしているんだけど、梱包時の効率性や商品価値的な問題で、造形が今一つなものはすべてのぞかれ、流通からは除外されてしまう......まぁ、原則廃棄されてしまう。
↑ かつて当方が栽培したさつまいもを新聞紙の上にずらりと並べた時の様子。ふぞろいのさつまいもたち。こんなかたちのでは、大抵は廃棄処分されちゃうんだろうな
でもそれもったいないやん? という話が欧州でも広まっているようで、その運動の一環として行われたのがこれ。Intermarche'というフランスでトップ3のスーパーが行ったもので、不揃いの野菜や果物を廃棄せずに店頭まで流通させ、通常の野菜・果物の3割引きで販売することにした。お客には一つの食し方として「ジュースなどに使うといいですよ」ということで、実際にそれらの果物などで作ったジュースを試飲させるサービスまで実施。結構評判は良く、スーパー自身の客入りもアップし、該当する果物や野菜は見事に品切れに。
最大の問題は流通のし難さ(形が不ぞろい=運びにくい=コストが増す)にあるので、その点を改善すれば、こんな類の野菜・果物もごく普通に流通できるようになるはず。日本では一部で「カット野菜」「カット果物」として形を変えさせて商品化するという切り口もなされているけど、やはり原型のままの野菜もあるといいなあ、と思うのは当方だけではないはず。特に野菜相場が高騰する冬場あたりは、ね。
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