Zite(ザイト)に見るデジタルマガジンの未来 http://t.co/sArDNgj4YC Pulse、ウェブ版のリリースは大成功 http://t.co/sq2Iid2Vau 海外のニュースキュレーションサービスまとめ5選 http://t.co/XHOWYu3d88
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 7月 23
先日から「海外でキュレーションサービスが流行っているからNaverまとめやまとめサイトも正義だ」とか、ベタコピー・盗用まるごとのサイトが「海外のトレンドを先取り云々」という話が出ているので、ちょいと気になって色々と調べた話の覚え書き的なものを。
引用先の記事を読めば大体把握はできるんだけど、要はGoogle Readerというステキングな記事更新情報のお知らせサービスが終了したことで、突如降ってわいたRSSリーダー需要に、「Paper.li」(自分のツイートを基に日刊のウェブ新聞を創るサービス。ツイート性向がにじみ出るので、とても面白い)的な要素を加え、機能を充実させたのが、海外で流行っている「キュレーション」ということになる。
人工知能的な学習機能で読み手への最適化をした上でニュースフィードを呈したり、カスタマイズ機能を充実して「自分で作るスクラップブック的な新聞」というニュアンスで、まさに「自分だけのニュースポータル」的なものを提供する。動画を抽出した場合には大本の動画がそのまま埋め込まれて再生されるため、その動画の再生動機にも直接的につながる。記事の場合はフィード提供が全文で無い場合、リンク先が原文になるので、原文へのリーチも確保される。要はあれだ。電車内の雑誌のつり革広告みたいなものがずらりと、自分の趣味にあった形で並べられている感じ。
さらにはツイッターやFacebookのアカウントと連動し、自分の普段のツイートなどとも合わせてニュースの取捨選択を最適化させられるものもある。例えば鉄道系のツイートが多ければ、鉄道周りのニュースを多く拾ってくる。
サービス名を忘れてしまったので検索できないんだけど、昔、紙媒体としての新聞記事の一部一部を抽出してまとめて、スクラップブックみたいな形で日々Faxで配信するサービスもあった記憶はあるんだけど(今もまだあるのかな?)、それのデジタル版的なものと考えると理解はし易い。
つまり、情報が氾濫する中で、利用者好みのニュースを選りすぐってあげますよ、という情報コンシェルジュ的な役割を持っている次第。あるいはデパートの衣料品コーナーや宝石店における店員さんみたいな感じ。
これらのサービスは、要はGoogleNewsの発展版みたいなもの。 あくまでもダイジェスト・サムネイルのみを編集したもので、一次ソース配信側が二次利用許諾をしているフィードを使っている。一次ソース側の意図を無視したり、一次ソースへの導線をほとんどぶった切っているわけでは無い。この点で、いわゆる日本の「まとめサイト」、「ネイバーまとめ」などの自称キュレーションサービスは別物となる。
一つ不思議なのは、なぜこれらのサービスのきっかけとなったGoogle Readerを提供していたGoogle自身が、この発想を思いつかなかったのか。GoogleNewsですでにそれに近い事はしているのに。RSS Readerを単に廃止するだけでなく、GoogleNewsの付随機能的に統括することで、容易に今のキュレーションサービスのトップに立てたはずなのに。なんでだろう。
ともあれ。検索ノイズの点でも、記事制作側の軽視という点でも、読者の導線概念の点でも、海外で人気を集めているバズサービスやキュレーションサービスと、日本のネイバーまとめやまとめサイトはまったくの別物。同一視させて「だから問題は無い」というのは筋違いでしかないのよね、マジで。
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