どのような大先生も自分の近所に住んでいると「タダで絵を描いてくれる人」になるらしい

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どこまでが創作で事実かは確認のしようがないのだけど(片方はその現物を見たことがあるということなので、恐らく事実だろうな)、この類の話はいわゆる絵描きの人ならどんな人にでもよく見受けられる事案ではある。絵を描いて仕事をしている以上、その創作物は仕事の生成物に他ならず、それを「ちょいちょい」と表現し、かつ対価は支払わないというニュアンスでの要求ってのは(子供心の純な欲求ならともかく)、非常に罪深い話に他ならない。

ちょいと考えてみれば分かるんだけどさ。例えばケーキ職人が「あんたケーキの作り手なんだから、ちょちょいっと私の娘の顔を模したウェディングケーキ作って、タダでくださらない?」とか言われたらどうだろう。陶芸家が「あんた陶器の名人なんだから、うちの食卓に使うスープ皿セット、創ってくれない? タダで」とか言われたら、ブチ切れるよね。

【値切りをして良い相手としてはいけない相手】の話とも通じる部分があるんだけど、「自分のわがままを口にして、通ってしまえば儲けもの」的なやったもの勝ち的発想と、「マンガなんてどんな大先生でも下賤な娯楽でしかない」という卑下的な心持ちが奥底に見えているようで、この類の話は「ぐぬぬ」感を覚えるところがある。

文章書きにしたってそうなんだよね。数行の文面でもそこに至るまでには何回もの推敲や、それを書き記すための膨大な事前調査、失敗により消え去った文面が多分にあるかもしれない。にも関わらず、単純なテキスト量だけを見て、「このぐらいの文面ならそんな苦労もせずにすぐに打てるでしょ?」とさらっと言われたりすると、かなりショックを受ける。丸写しのタイピングと創作作業を同じように考えているんだなと思い、相手の発想力の浅さに失望すら覚える......そんな経験は一度や二度では無いからね。

子供は経験がないので、純にこういう発言をしてしまうかもしれない。その際に、ちゃんと正しい知識を教え諭すのは保護者も含めた大人の責務。そうでないと、創作物への感謝、ものを創る事の大変さを知らない、ダメな大人になってしまうからね。

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このページは、不破雷蔵が2014年7月31日 07:02に書いた記事です。

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