災害時の避難所運営をゲームという形で分かりやすく訓練する「避難所運営ゲーム」HUG

| コメント(0)
避難所に逃げてきた住民を収容し、食事やトイレを提供。報道機関の取材などにも対応する――。静岡県が開発した災害時の避難所運営を疑似体験できるゲーム「HUG」が、東日本大震災以降、全国の自治体で売れている。考案者の県職員はHUGの使い方を教える研修を各地で続けている。





先の震災で大きな問題の一つとして挙げられたのが、避難所の運営問題。多種多様なイレギュラー的事象が発生し、それに対してどれだけ効率的な対処を成していくか、臨機応変でリソースを無駄なく使う、柔軟性の高い運用が求められてるわけだけど...マニュアルそのものもしっかりとしたものがあるわけではなく、さらにそのマニュアルの想定を超えた状況が続々発生して、後手後手に回ってしまうばかりとなったことは否めない(自治体レベルだけでなく国レベルでも)。

で、そのような状況でも出来るだけスマートに対応ができるようにと、事前に訓練をして慣れておこうという発想のもとに生まれたのが、この「避難所運営ゲーム」。ゲームというと「遊びに使うとは何事だ」と怒る人もいるかもしれないけど、要は軍事的な話ならば机上演習的なもの。乱数要素を使いこなしてゲーム化したシミュレーションといったところ。以前【貿易ゲーム】で紹介した、国家間貿易や外交手法をリアルに学べる学生向けのマルチプレーゲーム「貿易ゲーム」と似たようなコンセプトによるもの。

無論実際の運用と比べれば多分に簡略化されているけど、繰り返し状況対応を考え、判断することで、柔軟な対応への考えができるようになるし、パニックに陥ることもなくなる。いわゆる「ぶっつけ本番」が無くなるだけでも効果は十分にある。

この系統のゲーム、シミュレーションはタブレット型端末によるアプリの提供で、よりスマートなものが運用できるし、実際の状況下でも役に立ちそうな気がする。今件ではあくまでも避難所運営に限定しているけど、もっといろいろな場面でこの発想は活用できるんじゃないかな。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2014年8月 4日 07:29に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「「牛すき鍋定食」が決定打になったすき家の問題と、ベンチャー的気質は巨大化した企業には通用しない件について」です。

次の記事は「「妖怪ウォッチ」の妖怪たちが古来伝承の妖怪とは別物ということに対する「なるほど」話」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30