公益企業である電力会社が正当な価格で電力を販売することを許されず、現実にはあり得ない想定で値上げ幅を圧縮されて企業としての体力を消耗し続けることは、(特に将来の)国民にとって不利益にこそなれ、利益となることは何一つない。
— Flying Zebra (@f_zebra) 2014, 7月 31
目先の電気料金はいくらか抑えられるが、そのために避けられない電力インフラの劣化は、確実に遙かに莫大な損失を社会全体に及ぼす。その厳しい現実と向き合うことから逃げ続け、刹那的に今この瞬間の僅かばかりの損得に現を抜かすことの如何に愚かで無責任な事か。
— Flying Zebra (@f_zebra) 2014, 7月 31
電力会社の値上げを報じる度、判で押したように「一層の経営努力」による値上げ幅圧縮を要求し、電力インフラが直面している危機的状況を正しく伝えることもせずに呆けたような報道を垂れ流すメディアも、それをそのまま追認する社会も、形容するのに「愚か」以外の言葉を思い付かない。
— Flying Zebra (@f_zebra) 2014, 7月 31
先日北海道電力管轄での値上げ申請の周りがあり、それに関連して複数の報道でその値上げに関する否定的、中にはバッシングに等しい論調のものがあったにのに及んでのお話。先の【「新聞には軽減税率を適用しろ」日本新聞協会が再び要望】にも通じる話なんだよね。新聞業界では自分への負担は問題外、正当性を主張するけど、その具体的論調は首を傾げる部分が多い。一方で電力会社周りに関しては、殊更に経営努力をするよう強調し、まさに菜種油のごとく「最後の一滴まで絞り取れ」的な話。ああ、先日の【「電力関連の需給問題」と「生活保護問題」、根は同じっぽい】ともつながるわな。「死んで無いだろ? ならまだ大丈夫だよな」的な。
そもそも論としてなぜ電力会社が電気料金の値上げをしなければならないのか。燃料の輸入状況と財務諸表をしっかりと確認すれば、まともな知性のある人ならそれなりに理解はできるし、納得は行くはずなんだけど、それを感情論なり「受ければいい」的な煽動による利益(バッシングによる満足感含む)が上回っているんだろうなあ。
電力会社は神的存在でも無ければ無限のリソースを持つ玉手箱でもない。まさに「シムシティ」的なゲーム脳的発想で叩いているようにしか見えない。その「シムシティ」ですら新作ではインフラは劣化する作品もあるというのに......。
もっとも上記指摘では一点足りない部分がある。「確実に遙かに莫大な損失を社会全体に及ぼす」とはあるけど、そのような状況になったらなったで、新聞社は再びそれをネタに政府や電力会社、さらには関連企業・業界を叩くので、「注目を集めるネタが出来る」とほくそ笑むだけの話。まぁ、マッチポンプみたいな話だよね。
軽減税率を主張するのなら、まずこういう「非論理的な記事展開」を極力止めるってところから始めた方がいいんじゃないのかな。文化も何もあったもんじゃないし、ね。
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