読み切りマンガでやると難しい事(≠できない事)
〇主人公格二人の出会い。二人は周知である事
〇2名以上の内面の描写
〇悪役キャラの悪になった理由
〇主人公の技術的成長(精神的にはOK
— 緒方てい (@ogatatei) 2014, 8月 19
そんな感じで設定をシンプルにしていけば頭の中の連載漫画は読み切りに落とし込めますよっと。
— 緒方てい (@ogatatei) 2014, 8月 19
前述の事はあくまでたくさんの生徒さんの読み切りを見てきたうえで感じたことで、異論もある事でしょうが、こういうのをぶち壊したりするのが傑作というのかもですね
— 緒方てい (@ogatatei) 2014, 8月 19
拙作「人造人間カティサーク」の一話は読み切り作品なわけですが、男主人公以外の内面はほとんど語られていないわけです。これが(1話)ならまた違ったものになってた
http://t.co/hhpK4SChHL
— 緒方てい (@ogatatei) 2014, 8月 19
連載漫画と読み切り(単発、あるいは2、3回位の限定展開)漫画の違いと、作品として構築する際の注意点についてまとめたお話。さらにこれにレスする形での有馬先生のツイートで、なるほど感を覚える。
重要、重要。 漫画って連載して長く続く物語前提でキャラ作っちゃうことが多いと思いますけど、他のメディア(小説・TVドラマ・映画)よりもスタートダッシュで気を惹く努力しなきゃならないんで、まずは読みきり前提でその一話を読めば分かるくらいのほうが良いんではないかと。 <RT
— 有馬啓太郎・夏コミ金曜日東A-78a (@aryiaman) 2014, 8月 20
同人誌なり自由創作の場合はどうしても設定や世界観を作るのが楽しくて、そちらの方に力が入ってしまい、その説明や描写に膨大な分量が必要になる。最初から全部読ませる前提ならそれはそれで構わないのだけど、商業誌の場合はそれが叶わない場合も多い。テレビなどはまだある程度スタートダッシュ部分が長めで済むし、映画や小説は最後まで観てもらう・読んでもらうのが前提だけど、漫画の場合はそうもいかない。最初の数回で飽きられたら、そこでオシマイ、せっかく作った世界観もジ・エンドとなりかねない。
そういう意味では、人工衛星の打ち上げのごとく、初速部分でいかに勢いをつけるかが大切になる。「最初はちょっとつまらなげでも、読み進めていけば面白くなるよ」という攻め方は、先日の「単行本第一巻の売上が」云々の話にもあるように、昨今の事情では特に難しくなってしまっている。だから物語全体のエッセンス部分、あるいは魅力的に映る部分を、まず全面に出して注意を引きこむ必要がある......
......ってあれ。これって結局家庭用ゲーム機のゲームの作りと同じだな(特にゲームのレビューを良く書いてもらうための手法。ゲーム雑誌側は発売前のレビューでは長時間かけてのプレイが難しいので、どうしても短時間でのプレイの上での評価となるから)。料理に例えるなら、フルコースの場合、前菜や食前酒の時点でそれなりに驚きを覚えさせるものでないと、その場で席を離れてしまうよ、ということ。
昨今の四コマ漫画誌でも、単発、あるいは3回位の短期集中の連載で掲載され、その中から好評を博したものが連載に移行する事例が増えている。良く見返すと、上手く連載化した作品の多くは、単発や短期集中連載の時点で、それなりにしっかりと世界観を端的に説明し、それだけでも十分面白い、まとまったものとして仕上げられている。「これはあくまでも前置きで、これから面白くなるんだからね」的なものは、大抵そこで打ち止めされ、連載には至っていない。
いわば読み切りはお試し版的なものとして認識し、「お試し版」の意味である「本編に興味を持ってもらう」ための魅力をどうやって盛り込むか。そういう圧縮......というか整理の仕方が重要で、昨今の漫画業界事情では特に必要なスキルになっているのだろうなあ、という感じがする。
その考えで4コマ漫画誌を読み直すと、色々となるほど感を覚えたり、再発見を得られたりして、結構面白かったりするんだな。
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