"【学力テスト】新聞読む子、割合は減少も正答率高く 頻度上がるほど成績上昇 - MSN産経ニュース http://t.co/smJ86IVkbe " はいはい。試験に出る朝日かと思ったら産経かよ
— Tadashi Yoshizawa (@tyoshiza) 2014, 8月 27
先日本家サイトで【ますます増える小中学生のテレビゲーム時間、そして学力テストとの関係は...!?】などで紹介した、文部科学省の「全国学力・学習状況調査」からのお話。相関関係の実証と、因果関係の想定には非常に役立つ材料が山ほど乗っていて、ざっくりと見るだけでも面白いんだけど......早速やらかしてくれたお話。「分析したところ」って、あのねえ......。「新聞をよく読む子供の方が、平均正答率が高いとの結果」は間違いではないけど、それはあくまでも相関関係であり、しかも因果関係を想起させるような関係では無い。「新聞を読むことは学力向上に効果があるといえそうだ」って、それ、以前問題になった「朝食を食べると頭が良くなる」的なものと同じやん。
①これ思いっきりアウト。「新聞を読むことは学力向上に効果があるといえそうだ」とあるけど、データ掘り起こして精査すると、類似案件でネットやテレビのニュースをよく見る子供でも類似の結果が出ている。つまり新聞云々ってのは相関関係でしかなく因果関係は証明し得ない。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 8月 27
②類似項目としてネットやテレビの話もデータとして公開されてて、同じような動きが出ているんだから、ここは「新聞をよく読むと」ではなく、せめて「ニュースへの関心度が高く接触頻度が高いと、学力とは相関関係があり、因果関係もありそうだ」としないと......(´・ω・`)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 8月 27
(平成26年度全国学力・学習状況調査のクロス集計表 [児童質問紙-教科]から精査した上での話)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 8月 27
余談だけど、人の気持ちが分かる人になりたいとか、友達との約束を守るとか、道徳的・倫理的な部分が高い子供も、同じく正答率が高い。要は「良い子っぽい」子供は色々な切り口で良い子の傾向があり、勉強も良くできる......みたいな感じ。新聞読めばお利口になれるとはどこにも書いてない次第。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 8月 27
他にも連動しうる多項目で同じような相関関係が確認できるので、新聞を読むと頭が良くなるってのは、それこそ新聞では度々問題視される過剰表現に他ならない。むしろ最後のツイートにある「良い子、という印象が強い傾向の子供の一様式として、新聞を読む事例が多い」ということに過ぎないということ。ココイチのカレーが美味しいからといって、美味しいカレーはすべてココイチの商品というわけでは無い。そんな感じ。
新聞を読むから賢いのではなく、賢いから新聞『も』読んでるわけですよね。因果関係が逆。『新聞』が主語でものを考えるからおかしな話になる。 QT @Fuwarin: ①これ思いっきりアウト。「新聞を読むことは学力向上に効果があるといえそうだ」とあるけど、データ掘り起こして精査すると...
— 個人凍死家テリー(禁酒中) (@Frozen_Telly) 2014, 8月 27
まさにその通りで、展開された記事が新聞のものだからということなんだろうけど、新聞を主軸にデータを見てしまって解析するから、歪んだ答えが出てしまう。ちょっと他の項目のデータを見れば、似たような事例も多数見受けられ、そして新聞購読と学力向上の間の因果関係は薄そうに見えるってのは容易に想起できるはずなんだけどね。むしろニュースそのもの、社会の動きに興味関心を覚える子供ほど、高い学力を有している傾向があるって感じ。そしてニュースを見聞きすれば頭が良くなるわけでもない。
でもきっと、この結果を持ち出して「新聞を読むと頭が良くなるヨ」的な切り口を示すところ、まだまだ出てくるんだろうな。
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