紙媒体の漫画を電子書籍化することと、最初から電子書籍用として描かれた漫画と

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先日【電子書籍が紙の書籍と違う、その一つは「達成感」が把握しにくいこと】でも言及した、紙媒体と電子媒体による書籍、まあ今件は漫画だけど、との違いに関する指摘の一つで、当方も実体験も含めて大いに同意できるお話。読み手の目の導線なども含め、紙媒体用の漫画って、紙媒体上に印刷されてぺらぺらとめくられて読まれることが前提となっているので、電子書籍化されると違和感を覚えるものがある。まぁ、電子書籍化されただけでも儲けもの、ぜい沢をいうなといわれればそれまでなんだけど、やはりなんかちょっと感触が別物になる。

当然逆も然りで、電子書籍化された(......というかウェブ上に掲載された)漫画の多くは紙媒体として刊行されるビジネスモデルが展開されているけど(【ウェブ雑誌ってどうやって採算とってるんだろうか】)、プリントされたものを見ると「同じはずなんだけど、なんか違う」という感想を抱いた人は多いはず。これは紙めくりの問題や、本日先行して挙げたVineなどの動画周りでも観られる「ネット媒体との接触による閲覧・購読は多分に『美味しい所取り』『つまみ食い』『短時間しか集中力が持たない』な傾向になる」ってのが要因だと思う。単発速攻が前提なので、それを長時間持ちうる媒体で目にすると、おや? という違和感があるわけだ。カップラーメンをゴージャスな器で食べる、みたいな感じ。


これはスマートフォンが普及して表示画面が大きくなったからこその話。従来型携帯電話では四コマですらスクロールさせる必要があったので、その見せ方には非常に苦労を要した。しかも見せればいいってわけじゃなくて、その表示方法に合わせた内容の漫画にする必要がある。特有の切り口を使うこともできるけどね。ただスマホでもまだ読みにくいので、今後タブレット型端末が普及を進めるに連れて、ますます電子書籍型の4コマ漫画は需要が増えて来るんじゃないかな。もちろん紙媒体での読まれ方との違いを検証・研究して、読みやすい切り口をする必要はあるんだろうけど(文字を見やすくするとか、隠し演出をどのように見せるかとかね)。

ただし4コマは概して短い一区切りで終わるのも特徴。4コマ漫画誌は大抵1作品が8ページでしょ? その点では指摘されている通り「どの媒体でも馴染める」ってのは大当たり。電子書籍における「読者の集中力が長時間継続できない」にも適合する。その意味でもこの指摘は注目に値すると思うんだな。

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このページは、不破雷蔵が2014年8月31日 08:28に書いた記事です。

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