「消費税率を10%にしないと国債は暴落する!」「な、なんだってー!?」

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自民党の高村正彦副総裁は10日、来年10月に予定する消費税率10%への引き上げを見送った場合のリスクに触れ、増税の必要性を強調した。「(財政再建に向けた)市場の信認を失い、国債が暴落すれば打つ手がほとんどない」と党本部で記者団に語った。

......という記事タイトルのようなツッコミを思わず入れたくなるような、まるで判を押したような、消費税率10%引上げ周りの話。これ、【消費税率は8%に固定し、一度白紙に戻して再審議すべきという提案】でも触れているんだけど、「税率を引き上げないと財政体質の改善に前向きでないと思われる」「国債が暴落する、ヤバイ」「だから税率引き上げは絶対だ」という論調は結構聞くし、その暴落を起こす対象は海外のヘッジファンドだ、という説明も時折見かけられるのだけど、そのあたりの話を論理的に、具体例を挙げて、裏付けのある形で説明している、信頼が出来るレベルのレポートとか報告書ってないのよね。「暴落するから必要」「で、その暴落は誰が言ったの?」というツッコミを誰もしてないし、誰も説明してない。

「国債暴落」に関してはMMRばりの内容のサイトとかならあるんだけどね。後ほど触れる、何十年も暴落を叫んで懐を温めている方とか。ヘッジファンドが云々って説明が正しいとすると、国債暴落発言は「ヘッジファンドに脅されて税率アップするしかない」と同意になるのだけど、それでいいのだろうか。まさか財務省関係者からそういう説明をされて、それをそのまま語ってるだけ? いやあ、まさかね。


指摘の通り、著書でも何冊か出てはいるけど、いわゆる「狼が出たぞ」系のものばかりで、しっかりと正しく論理立てているものは見当たらない。財政再建は必要事項ではあるけれど、優先順位の設定を間違っちゃいけない。ごく一部の勢派の目的のために、間違った手段を使い、他のもっと優先順位の高い目的を打ち砕いたら身もふたもないのね......ってこれ、例の「江戸しぐさ」をやんわりと支持する人たちと同じ構図だな。

なぜ国債が暴落するのか、その説明に関して論理立てた、正当性のある裏付けはあるのか。そこまで説明せずに単に「国債暴落暴落」と呪文のように唱えているだけじゃ、単なるスピーカーと変わらないのだけどね。

もしかして。「国債暴落」云々って「世界支配層」や「恐怖の大王」と同じレベル?

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このページは、不破雷蔵が2014年9月11日 05:52に書いた記事です。

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