「アニメの影響で犯罪者がこんなに出ている」という「危機感」と、「放射能の影響で健康被害がこんなに出ている」という「危機感」は、どちらもデータを無視した「実感」に基づくものという意味で同様に問題だと考えている。「子供」を担保に使っていることも同じ。
— 伊藤 剛 (@GoITO) 2014, 9月 2
そりゃデータを細かく探れば、一要因でアニメを影響とする犯罪事例は出て来るでしょう。放射線の影響で健康被害が、というのもあるかもしれない(特殊条件下での話...というか放射線は日常生活の上で常に存在しているし。鉛の箱の中で生活するのならともかく)。しかしながら、イメージしやすいもの、連想が容易なものをどんどんっと提示してヒモ付し、そのヒモ付には何の論理的解釈も無く、裏付けも無い。単に声高に「自分が思っているから」「●×で言われているから」ってのしか根拠が無い。挙句の果てには「そのデータはニセモノだ」(だから自分の想ってる事は正しい)という、良くわからない話まで。 アニメと犯罪に関する、そして(震災影響による)放射線と健康被害には共通する、このような煽動手法が用いられている。確かに似たような切り口ではある。 危機感を煽る手法に対し、「こんなに、って言うけど、具体的にどれほど? で、それとの因果関係は?」とツッコミを入れたら、理路整然とした説明が出来るかなあ、という感はある。放射線の場合は、概して逆切れするか、既存資料を思い違いしているか、推定・可能性を語り始めるか、政府の陰謀でデータが隠されていると説明するか、あるいは国内外の良くわからない、実証にならない論旨を持ち出して「これが証拠だ」とドヤ顔するか、あるいはフェイクのデータを持ち出してくるのがオチなんだけどね。 うん、元ツイートは結局確認できなかったけど、テレビアニメ放送本数と幼女への犯罪行為の推移が関係しているかのようなグラフも出回っているようで、それに対して当方の記事からこんな話を持ち出している人もいる。 テレビアニメ放送本数と幼女強姦被害者数の推移を並べたグラフが出ていますが、
ここで半世紀前からの小学生数が半減してることも確認しておきましょう。
小学生や中学生の数の推移をグラフ化してみるhttp://t.co/K7YF0C6fXB pic.twitter.com/7qFeYPWiHz
先日放送された某テレビ番組で、ことさらにオタクやアニメ絡みのバッシングがなされたようで、それに絡んだ色々なお話が出回っている(当方自身はその番組を観ていないので詳細の言及は避けるネ)。今件もその一つで、「あ、なるほど」と思わせてくれた指摘。「アニメの影響で犯罪者がこんなに云々」と危機感を煽る手法と、「放射能の影響で健康被害がこんなに云々」という手法は、データ検証を無視した「実感」......というよりはイメージ的な自己的印象で行っている点で等しいという話。さらに「放置しておくと子供に被害が生じるから」とさらに煽る切り口も同じだという。先日の
相関関係ではなく、因果関係、せめて因果関係が容易に連想でき、他の要素の影響を受けにくい(&他のデータで反証されない)レベルでの相関関係が重要なのよね。
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