2つの吉田問題は朝日新聞にとって戦後のゾルゲ事件......では済まないことになるのかもなあ
報道関連の大事件としては、椿事件や西山事件同様、世間一般にはあまり知られていないけど、歴史的な面では大きな話として有名なのが、このゾルゲ事件。元朝日新聞記者の尾崎秀実も係わっていた、コミンテルン(世界各地に散らばっている共産党のシンパ的なものと考えれば分かりやすい)による日本国内での大規模なスパイ事件。朝日新聞周りではこの尾崎氏のみが関与していた......とはされているけど、まあ色々な説がある。
で、今回の朝日新聞周りの二つの吉田問題、8.5事件で大きく焦点が当てられることになった「吉田証言」と、今月にもマスターオブマスターが公開される「吉田調書」、について、色々と問題の追及を避けきれなくなった場合、また似たような処置が行われるのかもなあ、という感はある。
これについては多方面で指摘がなされているけど、「吉田証言」の当時者である吉田清治氏については多種多様な背景が改めて露呈されているし、当人だけの問題では無く朝日新聞の上層部も深く係わっていることは紛れもない事実(そうでもなければ32年間もあらゆる方向からツッコミを入れられても否定もしなければ精査もしなかったってのはありえない。あるいは同新聞社がそこまで無策で無能ということを自称しなければならなくなる)。
「吉田調書」にしても先の特許と企業回りの話のように担当記者一人の暴走ってことも考えにくい。何しろあれだけの巨大スクープで、しかも数か月に渡り大規模な特集を組んでいたのだから。
いずれにせよ、朝日新聞が新聞社としての自意識を少しでも持っているのなら、尻尾きりで終えずにしっかりと関係者すべてに責任を取らせないといけない。少なくともゾルゲ事件のような〆方は無理だと思うのだけどな。
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