乳児マッサージ後死亡 大阪府警、NPO代表を任意聴取 - MSN産経ニュース http://t.co/y9QXlblZUR
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2014, 9月 9
捜査関係者によると、昨年には新潟県で女性の施術を受けた幼児も死亡しており、大阪府警は女性らから任意で事情を聴き、施術と死亡の因果関係を捜査している。女性はマッサージなどの国家資格を持っていなかった。
今件に関しては動画ニュースなどもちらほら見聞きしているけど、正視できないような動かし方をしていたので、ちょいとこれはアレだなあ、と思っていた。けど、そちら方面ではあまり詳しい知識もないし、どうしようかと考えいたところ、資格をお持ちの青木先生がざっくりと解説などをしてくれたので、まとめて覚え書きも兼ねて。
NPOのマッサージで乳幼児死亡の件ですが、基本的に『他人の身体を触る行為には資格がいる』のです。業としてのマッサージは国家資格が必要です。マッサージ・指圧等の要素が入るエステや健康法はあくまで"無害"と分っている場合のみ可です。乳幼児の首捻る行為は明確に"人体への侵害行為"です。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
基本「乳幼児にマッサージは必要ない」です。最も身体が活性化している時期の何処にマッサージを行う必要がありますか?必要なのは親の愛情とスキンシップです。アトピー等具合悪いと思った医者に掛かりましょう。民間療法が何故正規の医療に取り込まれず民間療法のままなのか、よく考えてみて下さい。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
乳幼児は刺激に過敏に反応するので、鍼灸では小児用の"刺さない鍼"もあるくらい。あちこち捻ったりする必要なんかなく、親が優しく撫でさすってあげるだけで十分刺激になります。また部屋内の化学物質やダニ等にも敏感に反応するので子供が具合悪いと思ったら一時的に居住場所を変えるのも一考です。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
これでも一応鍼灸マッサージ師の端くれなもんで、今回の一件無視する訳にいかなかったのでツイートしてみました。マッサージする親御さんは子供に良かれと思ってやっている訳で、"手段を間違えた"ためにその善意と愛情の結果、大事な子供が無くなったり障害残したりするなんて悲しすぎます。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
乳幼児期は健康状態が頻繁に変化します。これは急速に成長するためで、激しく振り子が振れているような状態です。だからこそ乳幼児を健康にするためではなく"乳幼児の状態を把握し絆を作るように撫でさする"事が重要です。未完成の乳幼児の身体を健康のためと称してアレコレいじるのは逆効果です。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
件のNPO『「病気になりにくい体になる」「便秘やアトピーも治る」などと宣伝し、1時間1万円で、6千人以上に施術』の報道通りなら完全にアウト。医師法違反にあマ指師法違反も付いて数え役萬だな【施術後に乳児が死亡...「免疫力高める」首ひねり】 http://t.co/TxXCyDjfir
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
件のNPO「子育て支援ひろば キッズスタディオン」の姫川裕里代表、詳しい経歴が全く出てこないので専門の医学教育を受けた事があるかどうかも不明。なのに、独自考案の「ついめん(対面)抱っこ」を提唱。『...背すじ(脊柱)をまっすぐにして...』って背筋は曲がっているのが正常なのですよ!orz
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
首は後ろに向かって緩やかに曲がり(前弯)、胸分は背中側に膨らむように曲り(後弯)、腰はお腹側に膨らむように弧を描きます(前弯)。この一連のカーブが頭の重量を支えるために必要で、赤ん坊の時はこのカーブが徐々に出来る時期です。ついめん抱っこはこれらの形成を阻害する可能性があります。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
つかこのNPO言ってる事が無茶苦茶。ついめん(対面)抱っこでは「背すじ(脊柱)をまっすぐにして、その延長線上の首と腰(仙骨)が、まっすぐな位置におさまり」とか言ってる癖に、だっこ紐では真逆の背面だっこ状態なのに「ついめん抱っこの数々の利点を実現するために開発した」とかもう意味不明
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
「ズンズン体操」とかいうのも無茶苦茶。子供はまだ骨が出来上がってません。軟骨部分で大人になればしっかりくっつく(そうでないと内臓等が守れない)が、成長するために柔軟に出来ている部分が多々あります。骨盤等もそう。なのにそれを大人の力で押すとか、百害あって一利無し。マジ訳分らんorz
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
こんな怪しさ大爆発、姫川代表の権威付けに使われてるのが書籍。『子育て現在進行形―子供が変わると未来が変わる!(文芸社)』、医学博士安保徹氏との共著『子育ての免疫学(河出書房新社)』、『どんな育児トラブルもこわくない!奇跡の対面(ついめん)抱っこ(文芸社)』両出版社、どうするの?
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
ひでぇorz RT @atsushimiyahara: 悩ましい事に、障がい児もターゲットにしているよぉ /私は全国の小児マヒやダウン症のお子さんの背すじ矯正を行ってきました。 http://t.co/1wdGCVo0Fv RT大事な子供が無くなったり障害残したりするなんて悲しす
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
子供はなぁ、国の宝なんだぞ。この国の未来をしょって立つ大事な命なんだぞ。それを売名と自説流布の為に被害に遭わせ、あまつさえ命奪うとか、正直許されちゃならないと思う。
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
件のNPOの件調べてたら、昔先輩に言われた事思い出した。「西洋医学と鍼灸を同列で語るな。こちとら4千年かけて人体実験繰り返した上の成果だぞ。ここ2世紀くらいで認知されたあんなポッと出と一緒にするな」...無茶苦茶だけど、伝統東洋医学が否定しきれないのはこの部分だったりする(^^;
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
ちなみに、「西洋医学と鍼灸を同列で語るな。こちとら4千年かけて人体実験繰り返した上の成果だぞ。ここ2世紀くらいで認知されたあんなポッと出と一緒にするな」といった先輩の風貌や体格は、どことなくアミバ様に似ていた、マジでwww
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
首の旋回って左右それぞれ60度くらいまでなのに(T^T) RT @hakofuguf: ダウン症乳児の首をグイッとしてますし... RT @atsushimiyahara: 悩ましい事に、障がい児もターゲットにしているよぉ→ http://t.co/1wdGCVo0Fv
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
ほぼ間違いなく行ってないでしょうね。無資格どころか無知識...だとすると、元ネタはどこ? RT @hakofuguf: 民間資格の整体やカイロのスクールすら行ってたか怪しいですもんねえ...前に医師法抵触かと問題になった河村建夫娘婿のカイロプラクター達ですら民間資格名ぽいのは書いてたのに
— 青木文鷹 (@FumiHawk) 2014, 9月 9
民間療法云々というレベルですらなく、独自に考えたのか本か何かで聞きかじったものを実践して、まあ特にトラブルが起きることも無くお金をゲットできたので学習してしまった......という感が強いかな。あるいは指摘にもある通り、弱者ビジネスっていう雰囲気が強い。
こういう「輩」(とすら呼ぶのももったいない)人達が横行すると、本当に有益なものとして将来科学的に実証も出来そうな民間療法の類やら伝承されてきた手法もまとめて妙なイメージがついてしまうので、あらゆる方面で迷惑極まりないことに違いはない。確かにマッサージの類はあまり投資も要らず、自分の腕で稼げるビジネスという印象もあるけど、その分技術の良し悪しがそのままストレートに出るんだよねえ。
それとこちらも指摘されているけど、権威付けをするために自らの名前で出版した書籍が悪用されているってのも問題。新ビジネスの類ではよくあるパターンだけど、不法行為的なものに悪用されたとなれば、出版社側の責任も生じかねない。どうするんだろうね、これ(自費出版系だったとしても、出版した側に責は一切ないってのは通用しないよねえ、同人誌じゃあるまいし)。
......で、これも何度か繰り返し語っていると思うのだけど、このような暗黙の了解というか、善意前提で成文化されていない領域で、その状況を悪用して暴れる筋が出てくると、どうしても成文化の上でガッツリとした取り締まりをしなきゃならなくなる。結局一部の人の所業で、皆が窮屈な思いをする羽目になるってのは、どの界隈でも変わらない、悲しい現実なんだよなあ、ということも想ったりする。
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