どこかが安っすい単金で仕事を取り始めると業界全体に迷惑がかかるというのは最近もあった話で、「おたくの単金高いわ。○×さんのとこは単金この金額なんだけど」とどう考えても採算ラインを大幅に下回る金額を提示してきたので辞退した案件のクライアントから後日「金額上げるから、どや?」とか
— つきしろ (@tsukishiron) 2014, 9月 11
要するに何が起こったかというと、ダンピングで案件は取ったけど、やり遂げられずリタイア→期限が短くなってさらにクソ条件になった案件が金額ちょっと上乗せされた程度の、でも期限短くなった分だけも上乗せされてない全力お断り価格で再度打診されるという...... もちろん固辞しましたけど。
— つきしろ (@tsukishiron) 2014, 9月 11
創作業周りには定期的に持ち上がる、このダンピングと業界全体相場の話。要は主に新人さんレベルの人や、新規参入の会社、業界に足を踏み入れることが第一義的な考えの人たちによって相場より安い設定での請負がなされると、それが市場全体の平均相場になってしまう事案が発生するというもの。
創作業周りには定期的に持ち上がる、このダンピングと業界全体相場の話。要は主に新人さんレベルの人や、新規参入の会社、業界に足を踏み入れることが第一義的な考えの人たちによって相場より安い設定での請負がなされると、それが市場全体の平均相場になってしまう事案が発生するというもの。結局みんなが損をする。そして作り手も痩せ細っていくので、業界そのものが縮退しかねない。新しい血も入るだろうけど、そもそも土壌が痩せているから、成長は望みにくい。
で、その類の規模だと、往々にして「結局ダメでした」とお手上げになる(大手ならば一時的な損失も覚悟して、他のラインから注力させてどうにかやり遂げることができる)。そして発注元は頭を抱えるけど、事の重大さを認識できているわけではないので、対価もさほど上乗せされないから、どこも引き受けてもらえない、と。有名どころでは大手ではあるけど、結局上手くいかなかった事案として、某銀行のシステム周りが知られているね。
当方がかつて所属していた某業界のライティング周りもそんな感じだった。個人ベースで編集者とやりとりして記事を書くタイプのライターが、少しずつ編集スタジオ単位での一括受注となり(その方がおまとめでお値打ち価格となるらしい)、いつの間にかスタジオ丸投げ状態となって、個別ライターの記事がほとんどなくなってしまうというありさま。で、残っていても、スタジオ単位での総対価を純割りしてのものとなるから、当然これまでより単価は下がる。原稿料の上乗せを要求すると、通った途端に記事の依頼がこなくなる(笑)。これじゃライターは育たないわな。まぁ、スタジオ単位で育成しているのなら話は別だけど。
原稿依頼サイドにはそれなりの確率で底抜けの馬鹿がいるようなので、
「48P原稿ですね!それでしたら、1P目は稿料1円で結構です!2P目は倍の2円で構いません!3P目は更に倍の4円でお願いします!その形で48Pで!」と言えば国家予算レベルの原稿料を貰えるのでは...?
— EXCEL (@EXCEL__) 2014, 9月 5
......発行1000部で初版は原稿料ナシ、増刷したら印税分をみんなで分けるから、一人原稿用紙3-40枚分お願いね。という依頼を受けて、書き上げてしまったが、貧すりゃ鈍するとはまさにこのことだよなあ。
— 地雷魚@『越天の空』発売中 (@Jiraygyo) 2014, 9月 5
これは一例だけど、こういった冗談紛いな話が出てくるほど、業界によっては依頼側の無理解、相場の低迷が起きているらしい。コンテンツの創生がどれだけ労苦を要するのか理解しているからこそ、それを取りまとめるビジネスをしているはずなのだけど......と思うと、ちょっと頭が痛くなることは否めない。
電子書籍やデジタル系の文章も合わせれば、文章・本を読むという行動そのものがすたれているわけじゃないんだけどなあ......。
金をかければ良い作品が出来るとは限らないけど、金をかけなきゃ良い作品が生まれる土壌ってのはますます衰えていくよね。
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