本日の気になるニュース・・・≪全盲の女子生徒が点字ブロックの上を歩いていた際、自分の持っていた白杖(はくじょう)に誰かがつまずいて転ぶ気配を感じた。その後少し歩いたところで、右脚ひざの裏側を強く蹴らた。≫という事件です。≪白杖につまずき腹いせか?≫と報じられています。(続く)
— 法政大学市ヶ谷図書館 (@hosei_iLib) 2014, 9月 10
全盲の女子学生が点字ブロックの上を歩いていた際に強く蹴られて怪我をした件。色々派生して各方面へ論議が広まり、半ば収拾がつかなくなった感があったけど、先日犯人が捕まった......のはいいけどこれはこれで知的障害があることが発覚し、さらにややこしい論議が沸き上がる感はある。
それはさておき。今件で犯人が特定、任意捜査が始まる前の段階で、被害者が白い杖、白杖(はくじょう)を持っていた件についてこんな説明があった。知っていそうで知らなかった話なので、覚え書きも兼ねて。
(続き)被害者は「点字ブロックや白杖が何のためにあるのか、世の中の人にもっと知ってもらいたい」と話しているそうです。
白杖(はくじょう)とは、一般に視覚障害者(全盲に限らない,さらに視覚障害に限らない)が歩行するときに使用する白い杖(つえ)のことです。
— 法政大学市ヶ谷図書館 (@hosei_iLib) 2014, 9月 10
(続き)白杖(はくじょう)は、歩行するときの道路面の状況を知る(情報収集)、前方の段差(落ち込み)や障害物を避ける安全性の確保、さらには"障害者がいることを周囲に知らせる"シンボルとしての機能を持っています。
— 法政大学市ヶ谷図書館 (@hosei_iLib) 2014, 9月 10
(続き)また、白杖を持っている人は、全盲に限りません。「見えにくい人」も持っています。なので、本を読んだり、スマホを見たりすることもあると思いますし、通いなれた道なら、スタスタと歩くこともあるでしょう。さらに視覚障害に限りません。嘘だと勘違いしないようにしたいですね。
— 法政大学市ヶ谷図書館 (@hosei_iLib) 2014, 9月 10
白杖には大きく「安全の確保」「情報収集」、さらには周囲への「注意喚起」と3つの役割を持っている。道交法でも第14条に「盲人及び児童等の保護」の規定があり、白杖を持つ人は最優先で保護される対象となる。また道交法の施行令第8条によれば白杖は視覚に問題がある人はもちろんだが(まったく見えない人だけではない)、肢体の不自由、さらには聴覚や平衡機能に問題がある人も所有対象となる。上の話で「さらに視覚障害に限らない」とはその事ね。
で、今件でも被害者へのインタビューの際に腕時計が映っていたので「見えてるじゃん」とかいう話をしている人もいるけど、全盲の人向けの腕時計もあるということを知って欲しい......というか調べりゃすぐに分かる。
犯人が特定されるまでの間、今件では色々とえげつない意見を語る人もいた。まぁ、人は押しなんべて聖人ではないので、そういう考えを持つ人もいるだろうし、心の憶測でそのような想いを抱く人もいるだろう。が、自分が特定されないからとばかりに、そのような話を不特定多数に向けて発するのは、相手の手が届かないところから一方的に暴力を振るう行為と何ら変わりはない。人として許し難い。また、そのような悪意の断片をまとめて、「これが世間の風潮です」と語り煽るまとめサイトの類も、正直どうなのかなあ、と個人的には思う。そりゃページビューは稼げるだろうけどさ。
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