「吉田調書」はどこから入手したのだろう...情報そのものの特質と入手ルートの考察

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先日の【「プロメテウスの罠」と「吉田調書」公開への動きのタイミング】でもちらりと「思った以上に三流フィクション的な状況となるかもしれない」と触れたように、一連の朝日新聞の「吉田調書」関連の話としては、情報問題・情報盗取事件という観点でも興味深い状況となっている。公的な文面で非公開、つまり国家機密と称しても良い(エネルギー周りの機密文章だから国防に係わるとも解釈できるな)文章がマスターレベルで盗取されたのだから。メディア側は「情報源の秘匿」を盾に、どこから入手したかを語ることはないだろうけど、盗まれた方は捜査をすることが求められる事案に違いない。

現時点では朝日新聞が取得した「吉田調書」がどのルートで漏洩したのか、まったく皆目見当がつかない。産経や読売の場合も同等だけど、こちらは朝日新聞が取得した調書が、記事作成の過程で複数の人の手に渡り、そこから漏れた可能性もある。この場合、産経や読売側は「朝日のと同じもの」という事を内部的に知っている事になり、「(同じ資料が手元にあるから検証はできるので)朝日の記事は捏造だ」と確信を持って記事展開が出来たのも納得がいく。

もっとも、産経・読売入手版の調書がマスター同等品であるとの確証を持った場合でも、「朝日の記事はおかしい」との確証を持てる。ただし朝日経由での入手ならば、より強固な、断固とした意志で書けるわけだ。なぜなら(それが本当にマスター同等品か否かを問わず)100%同じものだと分かってるのだから。

情報周りの話はここが興味深い。明らかな行動を起こさない限り、盗まれた側はそれに気が付くことが無い。物品を盗取されたのとはわけが違うのよね。


朝日新聞が取得したのが5月19日以前、産経は8月に入ってから......と考えると、3か月ぐらいのブランクが開いた理由は、同じルートから取得したのでは説明が付きにくい。やはり「どこかから」→「朝日」→「産経・読売」というルートの方が理解は出来る。

まぁ、陰謀説的に考えれば「朝日に盗取されて事実と異なることを書かれて困った政府側が、産経などにリークした」って筋道もあるんだけど、先日の記事にある通り7月の時点ですでに公開の意志を持っていたので、それは非論理的なプロットとなるから、これはアウト。むしろ「公開の意図があることをつかんだ朝日新聞内部関係者が、商品としての価値が無くなる前に手元の調書を高値で売りつけ懐に収めた」とした方が、小説っぽくていいよね。事実かどうかは分からんけど。

で。肝心の朝日新聞への漏えい元だけど。


との指摘や先の記事の話の通り、小説紛いな動きやら証拠が出てきている。確かにそのプロットを仮設として組み立てると、すんなりと筋道が通るのだけど、極めてチープでそんな小説書こうものなら没を食らうのは必至。......第一それ、部下の関係者が責任とってオシマイで終結させることが出来なきゃ、日本史に刻まれるのは間違いない、重大な疑獄事件になりかねない。


......これを使う日が来ない事を祈るしかないねえ。いや、事実を追求すべきってのもまた確かではあるんだけどさ。

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このページは、不破雷蔵が2014年9月15日 07:11に書いた記事です。

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