ヨーロッパの電力事情とフランスの電力販売

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先日公開したヤフー個人ニュースの記事【電気は何から作られているのか、主要国別の違いをたどる(2014年)】でこういう問い合わせが。本家サイト版の方ではちらりと触れていたけど、ヤフー版では省略してしまったイタリアの電力事情(政策上原発ゼロにしてるけど、電力足りな過ぎてフランスから買いまくり)に関して、こんな話が。

で、これについては指摘の通り、イタリアはフランスから電力を輸入している。その状況は最新のエネルギー白書ではこんな感じで紹介されている。


これは電力輸出国フランスを中心にした、欧州各国の電力のやり取りを記したもの。あくまでも2011年時点のもので直近ではもう少し数字が動いているだろうけど、どの国も大量の電力をフランスから購入している。ビジネス面でどれだけ利益を上げているのかはまた別の話だけど、少なくとも大赤字云々って事では無い(もしそうならフランスも手を挙げて電力売却からは手を引いているはず。儲かるし、外交戦略の上でもプラスになるから継続できる)。

また、フランスがイタリアへの電力売却に関して色々と問題云々ってのは、次の通り。


10年ほど前に発生した大停電に関して、フランスの労組がその交渉材料としてこの停電の案件を持ち出しているという次第。「俺らがスト起こして電力バランスが壊れたらまた停電起きて、イタリアなどに大迷惑かけるぞ、ゴルァ」という、交渉のカードに使ってるわけね。

まぁ欧州でこういった形で気軽に電力のやり取りが出来るのは、お互いが陸続き、あるいは送電線でつながっているからに他ならない。そして他国からエネルギーを大量に購入するってことは、見方を変えると首根っこをつかまれていることになり、外交交渉の切り札にされてしまう。ロシアのガスが好例ね。

その観点では、エネルギーの輸入は極力分散し、可能ならば自前でそれなりの割合を用意できるのが望ましい。もっともアメリカのように、完全にエネルギーがまかなえるようになると、内にこもってしまうことになるので、それはそれで問題なのだけれど。

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このページは、不破雷蔵が2014年9月26日 07:00に書いた記事です。

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