御嶽山とジャーナリストとまともなミリオタと

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先日の御嶽山の災害と、それに絡んで出動した自衛隊に関する言及で、色々と騒動があった話に関連して。当事者の方のおひとりからは弁明・謝罪の言及があったとのことだけど、それが多分に斜め上だったことから、さらに色々と派生がなされている模様。詳しくは【江川紹子さんの御嶽山の噴火に関する被災者救助に自衛隊を投入したことについての見解と謝罪のまとめ】にて展開中。まぁ、一般法人系メディアでも取り上げられたことが大きかったんだろうな。


ある方面の専門家と言われている方々が、その高名な肩書を使って他分野に足を突っ込んで、その足をさらわれるってのは結構ある話なんだけど、それがソーシャルメディアの発達浸透により、集合値的な状況が創られやすくなったことで、容易に起きるようになった。で、そういう場面に、既存の専門家の方々は慣れていないので、妙なリアクションを起こして炎上してしまうという結果に陥りやすくなる。あとは特に、権威的な分野の学問の専門家だと、自論の否定は自分全体の否定と錯覚してしまいがちってのも一因かな。

また今件ではこの指摘もされている。「多分に斜め上」の一つがこれ。


問題視されている本質的な部分には触れず、別の場面にシフトしてそちらを対応することで、全体的な対応が済んだかのように見せてしまうというもの。そして問題視されているものの一つは、差別的な使い方で「ミリオタ」という言葉を用い、相手を侮辱したことにある。

で、「まともなミリオタってなんだろう」ということになるのだけど、要は指摘の通り、「ミリタリー系に造詣が深い、かつ自分には素直に従ってくれる、ツッコミなど決してしない、下僕のような、ジャーナリスト様を崇め奉るような存在」ということなんだろうな

......ってここまで書いてちょいとピンとくるものが。ああそうか、テレビなどのワイドショーで登場する、メインキャスターやジャーナリストの話を補完する、アドバイスをしてくれる、でも決して反論したり困らせたりしない、サポートに徹する評論家を「まともな」ミリオタと定義しているのかもしれない。要は「都合の良い事を語って権威付けしてくれる専門家」のことか。

ちょいと余談っぽくなるけど。

「ミリオタ」って表現だけど、ミリタリーオタク、さらにいうと、軍事的な知識などを豊富に持ち、かつ多分に世間からは外れている、偏屈なところがあるように見える人達ということになると、元々「オタ(ク)」という言葉を侮蔑的に使っている時点で、語り手側の認識としては「まともでないと」の発想がある以上、矛盾している感は否めないのだけど......


あえて「オタク」を単純に、エンタメ系の分野に長けている人たちの総称と見なした場合、こんな分類が出来るよね、というお話も。亀有公園前派出所の有名なカットだね。現在はさらに「艦これ」周りとか地政学関連、写真や動画の分析なども含め、細分化されるんだろうけど。こういう形で自分達の頭で細分化できて、そして素直に言うことを聞いて、持ち上げてくれる。それこそが「まともなミリオタ」。なんじゃそりゃ。

自分が分からない、知識の浅い分野で、専門家や深い知識を持つ人から教えを受けたら、それが正しいものであれば、素直にこうべを垂れる。謝意を述べる。ジャーナリストに限らず、人として大切な、同時に当たり前の反応だとは思うのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月 2日 08:29に書いた記事です。

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