景気後退の足音、冷夏のせいでは無く

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消費税率の10%への引き上げは附帯規則により、一定のガイドラインに沿った形での景気回復が確認された状態でのものという前提がある。ところが昨今では財務省筋を中心に、そんな話など無かったかのような形で、やれヘッジファンドが、国債たたき売りがという、これまでにはほとんど論議されてこなった方面の話を持ち出し始めている。なんでやねんというツッコミがされるのも当然。

一方でここ数か月の景気関連の各種指数を見る限り、夏のボーナス商戦はエルニーニョ現象による冷夏予想こそずれこんだものの、気象動向はそれ同様、あるいはそれ以上の冷夏ぶりを示し、さらに冷夏と関係の無い分野でも明らかな失速ぶりが確認されている。


当方の定点観測の限りでも、住宅着工や薄型テレビの販売実績で思いっきりネガティブな値が今年度初頭、特に夏あたりから出ている。延期論も出始めているけど、延期をしたところで「近い将来増税だよね」というマインドを払しょくさせることは出来ないので、効果は薄い。今週発表予定の景気ウォッチャー調査の結果である程度確定事項となるのだろうけど、一端8%で固定した上で白紙に戻した方が、財政的にも景気の上でも遥かに良策には違いない。

5%→8%→10%という流れは、これまでのゼロ→3%→5%と同じポイント数での上昇だからというシンプルな発想ではあるんだけど、そもそも3%から5%の間は随分と長い期間があったし、その上3%が導入されたあとは5%の引き上げに関する話はなかったので「また上がるかも」という具体的な不安感による消費への重圧は無かった。それが今回は存在しているので、税率改定後の反動、正常化がほとんど見られない......ってのは以前お話した通り。

繰り返しになるけど、「健康のためなら死んでも良い」というのは、不健全な考えでしかない。健康は大事だけど、優先順位の問題。リハビリの最中にフルマラソンをさせる医者がどこにいるのか。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月 6日 08:05に書いた記事です。

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