専業のクリエイターでもやることはたくさん。自分の仕事だけすればいいってわけじゃないヨ

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この手の話は専門学校生周りの話題が登った時とか、就職絡みで色々と職業関連の労苦が問題視された時に出てくる話。スキルや経験を勘案し、クリエイター系のお仕事なら自分の腕前一本で食えるはずなので、対外関係は気にしなくて済むとか、周囲に惑わされずに済むとか、果ては「これならなんとかなりそう」とか(一昔前のゲームクリエイターとかシナリオライターブームの時には、結構そういうパターンが多かった)。でも実際にはそれほど甘いお話ではなかったりする。


よほど運と環境と能力に恵まれていて、自分は本当に創作活動だけをしていればよく、後のことは皆周囲の人が代替してくれる、なんて状況を想像しているのだろうけど、そんなものはごくごく一部でしかない(万能な相方に恵まれたとか、お金持ちの道楽的な感じでやってるとかね。あとは立身出世でその地位を獲得した大先生)。多くの人達は自分で営業周りをしてスケジュール管理をしてライン調整し、さらには会計処理に、下手すりゃ人並み以上の法的な処理まで求められる(例えば各種契約書類の作成とかね)。そしてもちろん健康管理。つまり創作スキルオンリーでは無く、オールマイティなスキルが求められるという次第。まあ業界単位で互助会みたいなものがあり、ある程度サポートを受けられる場合もあるけど。


スケジュール管理はエクセルが使えれば物理的には何とかなるけど、それ以前の問題として自分の力量を適切に推し量れるか否かという、自分への物差しをしっかりと持つ必要がある。嬉しさのあまりオーバーフローを起こすような仕事を受けると、結局自分がつぶれ、周囲にも迷惑をかける。あとは「あそび」を考慮したスケジュール管理。イレギュラーはいつでも生じ得るという世の中の仕組みを知っておかないと、年末とかに死ぬ。


自分の能力の把握に関連するけれど、これも大切。以前【値切りをして良い相手としてはいけない相手】でも触れたけど、結局のところ自分の腕でご飯を食べる人(創作者)は、自分が受け取った金額が評価の物差しになる。お金の話を持ち出すとしかめっ面をする人もいるかもしれないけど、自分の腕で食べる人は会社への就業者以上に、お金に目ざとくならなきゃいけない。「銀と金」の話じゃないけど、お金はそのまま戦力になるからね。

当方、一応FPの資格を有しているってのもあるんだけど、時々さり気に漫画家先生とのお話の中で、貯金をしてますか的なことを投げかけることがある(FPの資格を使って何か仕事を云々って気は無いので、念のため)。あるいはお金関係の話がちらりと出て来た時、目ざとくチェックをしている。印税周りでしばしば目を通しているのもそれが一因。

自分の腕前で活きる人ほど、お金は重要な武器になる。いや、防具かな。技が武器ならお金は防具と食料。防具が充実していれば安心して武器を使って攻撃が出来るし、体力を減らさずに行動を持続できる。ハングリー精神が必要なのは事実だけど、お金に振り回されると自分の武器も満足に使えなくなる。保険のCMじゃないけど「お金は大事だよ」ってところ。

......というわけで、専業といわれる人たちも、結構色々スキルを持つ必要がある。そうでないと、わるーいたくらみを持った人にだまされちゃったり、そのスキルを活かすことなくつぶれちゃうよ。もったいないもったいない。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月10日 07:15に書いた記事です。

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