御嶽山の被害者実情が語る「危険を感じたらまずは逃げる、写真を撮るんじゃなく」

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この医師が検視した犠牲者のほぼ半数が噴火の写真を撮影していた。携帯電話を手に持ったまま亡くなっていた人もいた。噴火4分後の27日午前11時56分に撮影した記録が残るカメラもあった。噴火直後は自分たちが巻き込まれるとは思っていなかった可能性がある。医師は「写真を撮らず早く逃げていてくれれば」と残念がる。

捜索が進み犠牲者の実情が明らかになるに連れて、色々な事実が判明している今回の御嶽山での噴火災害。辛くも逃げることが出来た人たちの投稿がツイッターで伝えられていることからも分かる通り、ソーシャルメディアへの投稿が色々な意味でクローズアップされた事案ではあった。

が、今件伝えられた通り、それが仇となったらしいのもまた事実。

結局のところ推測の域を超えることはできないのだけど、命を奪われてしまった人の少なからずは、噴火直後の状況を写真・動画に収めようとして避難行動が遅れ、結果として帰らぬ人になってしまった可能性があるとの状況判断がなされている。

果たしてこれらの人が脇目も振らず、即時に避難行動に移っていたとして、どれほど助かる人が上乗せできたのかは分からない。しかし確実に生存確率を底上げすることはできたはず。

昨今の自然災害関連の投稿画像や動画を観て、その迫力に感嘆すると共に「こういうものが受けるようになると、目の前の災害状況に対して『カメラ越しに見ているから自分には絶対にリスクは無い』との誤認をしたまま、あるいは『少々危険かもしれないけどウケを狙えるから』という甘い考えで撮影をしてしまう人が出てくるんだろうな」という不安を持っていたことは否めない。多くの人もどこかでそんな懸念を抱いていたはず。その考えの危険性が裏付けられてしまったことになる。

似たような話としては【外務省いわく「お前らウケるからって写真や動画撮ってSNSに投稿するために危険な国に行くなよ」】でも触れている通り、3月の時点で外務省が「ウケるからって写真や動画撮るために危険な国に行くな」と注意喚起をしている。またツイッター側も7月の暴風雨の時に


という、当たり前の話ではあるんだけど、守られていないがための注意喚起を行っている。それでも......ということなのかもしれない。

報道各社も「人となり」よりも、こういった事案、問題について積極的に繰り返し伝えるべきであるし、視聴者側も知るべき情報なんじゃないのかな。


追記:
こんな意見も寄せられている。


被害にあった人を責めるということでは無く、少しでも生存確率を上げるために、打てる手はすべて打とうという話なのよね。地震の際のヘルメットとかと同じ。まぁ確かに報道姿勢としては「●×を教訓にしましょう」と伝えるよりは「●×しなければよかったのに......」と暗に責めた方が番組構成はしやすいし、視聴者の注意を引きやすいのは事実だろうけど。

これまでのために、ではなく、これからのために、を考えれば、何が適切なのかは分かるはずなのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月11日 08:20に書いた記事です。

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