「ゲームは悪いに決まってる」の奥底に潜む責任逃れ

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これは随分昔から言われてきたことではあるし、その解消法も無いし、「世間」はすべてを指すわけじゃなくもっと賢明な人たちがいることも確かではあるんだけど。ゲームに限らず漫画やテレビアニメを批判する方々の多く、特に主婦層においては、結局自分自身しつけの失態の責を自身に被せられるのを避けるため、何か他に責任を転嫁するという話がある。「妖怪のせい」みたいな発想、しかも対象が「妖怪」という不存在なものではなく、実態の存在に。


ラジオがシニア層、特に女性陣にとって、午前中やお昼時のワイドショーの多分が中堅層などの女性において聞き心地の良い話が多くなるのも、結局その層の視聴者が多いからというマーケティングによるものなんだけど、その類の番組で汎用的な親のしつけの実態・問題を取り上げて非難することは滅多になく、他に責を求めたり、特定の特殊事例を取り上げるのも、視聴者が図星となるようなことを指摘されてへそを曲げてしまうと「番組的・商用的」に困ってしまう事態に陥るから、というのは良くある話。お客様は神様です、というものだ。保護者は悪くない、ゲームが悪い、社会が悪い、政治が悪い、みたいな。

まぁ、誰だって叱られるような話はあまりされたくはないし、啓蒙番組ってのも面白いものではない。喜怒哀楽、印象深いもの、そして自分はあくまでも第三者的な立場、観客として楽しめるもの。闘技場の客室から眺めるってのが一番なわけで、舞台のど真ん中に立って猛獣とバトルをする、自分自身が足を運ぶのは勘弁願いたい。気持ちはよくわかる。

もちろん現状ではネットの普及率も上がっていることもあり、理解を示す人も増えている。ゲームとしつけの問題を真剣に考え、自分自身のしつけに活かしている人も多い。ただ、まだ全体的には少数派であることも変わりはない(多いように見えるのは、ネットをしている人しかネット経由では見えないから。保守的なゲーム嫌いな人たちの動きは、第三者経由でしかネットでは分からない)。

見方を変えれば、もう少し時間が経過すれば、実体験をしてゲームの良し悪しを認識している保護者の数がさらに増え、何でもかんでもゲームに責任を転嫁する層が少数派になることで、世の中の雰囲気も変わってくる気はするのだけどね。もっとも自分の責任を問われるのはイヤだという発想に変わりはないだろうから......案外状況にあまり変化は起きないのかも。

これって調べた限りでは、過去のテレビが登場した、あるいは漫画ががっつりと浸透した状況と似ているんだよねえ。自分の非を認めたくないってのは理解できるし、またテレビやゲームの影響が皆無ではないってのも事実ではあるんだけどさ。

ぶっちゃけた話。ゲームだろうと漫画だろうとテレビだろうと、そしてさらには新聞でもニュースでもお薦めの書籍でも。良し悪しの問題は個々のコンテンツ、中身次第。ゲームや漫画という、ジャンルレベルで白黒つけるという時点で、首を傾げるべきなんだけどねー。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月12日 07:26に書いた記事です。

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