「人は城、人は石垣、人は堀」で抜けていた話、アウトソージングの件

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先日挙げた【「人は城、人は石垣、人は堀」とはよくぞ言ったもので......】で、人材不足の根幹部分にあるのは、経営陣側の人材軽視という視点にあるのではないか、無用なリストラがいい例だよね、とした件。「重要なのが抜けてる」という指摘を受けて、確かにそうだよね、これも結構重要な要素だよな、ということで覚え書きも兼ねて。

で、その大切な要素というのが「アウトソージング」。これもなるほどリストラ云々とほぼ同時期にもてはやされたビジネスワードではある。


人材が足りない、業務に影響が生じるようになった、事業体のむやみやたらな肥大化は問題だ、理由はさまざまだけど、ならば足りない部分はアウトソージングしてしまえということで、部局単位でぽーんと専用のアウトソージング会社に丸投げというパターンを結構見かけるようになった。グループ会社ならまだしも(何かあればコントロールは可能だし)、俗にいう外注となると頭を抱える事態も生じてくる。

一応各種契約は結んでいるし、二次外注を禁止する契約も多いけど、その類はあって無きようなもの。外注先はさらに二次外注三次外注へとたらいまわしされ、何かトラブルがあっても状況が把握出来なかったり、意志疎通にやたらと時間がかかったりで、結局外注にした意味が(コスト的にも時間的にも)意味が無いどころか「害注」だったという事態も......ええ、昔の職で経験があるから。外注に出したら二次三次をやらされたようで、不具合の調整連絡一つに数日かかったりとか、意思疎通がごちゃごちゃで指定の部分の訂正を指示したら、戻ってきたのはその部分だけが直された、数版前の昔のバージョンだったとか。


先の某教育企業ベネなんとかってところの大規模情報漏えい問題も、多分にこの香りがするんだよね。本日別途上げているモラルの話とも絡んでくるんだけど。まぁ、外注先の労働環境も多分に問題があるんだけど。

結局この指摘の通りで、そして先の記事でも触れているけど、金銭面だけでは解決できない、蓄積してようやく手に入る、お金で買え難いもの、そして物差しでは図りにくいものをすっぱりと切ってしまった(この切る手段の一つがアウトソージング)弊害が大きく出ている雰囲気なんだよね。【駅売店などの出版物販売動向をグラフ化してみる】でも説明している、駅売店の顛末も同じような構造。まぁ、こちらの場合は鉄道内での時間つぶしのスタイルが大きく変わって、雑誌や新聞が売れなくなったってのも大きいんだけどさ。

ケースバイケースのところもあるけれど、単に金銭的な問題だけでリストラやアウトソージング化すると、もっと大切な、普段は目に見えないところまで一緒に捨ててしまうことになるんだよなあ......というのが結論ではないのかな。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月14日 07:46に書いた記事です。

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