人材不足と人員不足、そして対価は評価

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儲かるんだったら架空戦記小説の人がラノベ行ったりしないと思うの、とかいう某御大先生的なぶっちゃけた話はともかくとして。元々ある程度尖った技術が必要、表現を変えれば匠的な人が求められる業界では多かれ少なかれいつの世でも話題に登っていることではあるのだけど、2013年の政変以降とみに聞かれるようになった人材不足。デジタルエンタテインメントにおけるシナリオライティングの部門でも不足状態が進んでいるということでツイッター上で告知がなされたところ、戦記系の作家の方が名乗りを挙げ、業界を良く知る人による適切なツッコミがあり、オチが付いたという件。

やりとりそのものはほんの数回の会話に過ぎないのだけど、特に昨今問題視されている人材不足の要素というか骨子が詰まった内容ではないかな、という雰囲気がある。


ケースバイケースで全部が全部こうだとは言い切れないけれど、実情的には「人"材"が足りない」「でも用意できる対価は人"員"分だけ」ってこと。そしてこれは今の日本における「人材不足」の構造とほぼ同じなんだよね。さらにその状況の不幸さは、その事実に、募集する側のほとんどが気が付いていないという点にある。素のラーメン分しか払えないけどチャーシュー麺大盛り、ライスとギョーザつけてよ、と注文されたら『出てけ』と言いうしかないわな。

例えばすき家の場合、バイト料を上げても人員が集まらないという実情があるけど、それは結局、要求される労働が、その程度の賃金値上げでは釣り合わないと労働市場が判断しているにすぎないということ。見方を変えると、現在のすき家の状況は、そこまでキツい内容であると、労働市場、雇用される側が判断してしまっているってこと。

ここで普通に競争原理が働けば、人材分の対価を支払う場所に人材が集まり、品質が維持向上されて、その企業が栄えるということになる。それだけに、そういう企業はどこなのかを見極め、良質の商品やサービスは積極的に購入してその良さを知らしめる必要があるんだよね。それ故に、だからこそ、悪質系の誘導型まとめサイトとか、日本風のネイティブマーケティング(実質的なステルスマーケティング)は排除していく必要があると思う。情報精査の上でノイズにしかならないので。

以前【値切りをして良い相手としてはいけない相手】でも触れたけど、技術や経験を求める職では、対価がそのまま評価につながる。力量を発揮してほしい、でも評価はしないってことになれば、誰も近づこうとはしない。それ位誰でもすぐに分かる話ではあるんだけど、ねえ......。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月15日 07:43に書いた記事です。

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