自動車産業曰く「若者のクルマ離れが深刻。僕らを助けて下さい」→それじゃ若者の手取りを倍増したらどうかな?

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そして、福市氏は「将来のリーダーとなる東大生の皆さん、これからは左脳(論理脳)だけでは世界と戦っていけない。右脳(感覚脳)を鍛えて下さい。若いうちに挫折して下さい」と学生らを叱咤した後、「僕らトヨタに限らず、日本の自動車産業を助けて下さい」とアピールした。

......という、ここ数年繰り返し語られている、自動車業界における危機感、若年層による関心度の薄さに対し、東大生に叱咤したあとで、日本の自動車産業を助けてという話。若年層の自動車への興味関心が薄れているのは、多様な条件が重なった結果。一部は【クルマからスマホへ...若者のパートナーの変化】でも語っているけど、将来への不安や自動車保有へのリスク増大、消費・趣味趣向性向の変化、インターネットの普及浸透に伴うコミュニケーションの形の変貌など、数え上げればきりがない。あとは都心部への人口集中と、その都心部でのインフラの発達で、自動車が無くても生活に困らなくなった、とかね。

そしてもっとも大きな要因は「可処分所得の減少」。要はお金が無い。自動車を所有すれば購入代に駐車場代、ガソリン代、各種メンテナンス費用、そして車検代。相当な額が吹き飛ぶ。それに見合うだけのメリットは得られるのかな? ということでそろばん勘定をすると、「んじゃ、いらない」という結論が出るのも当然の話。コストパフォーマンスが高い娯楽が山ほどあれば、なおさら。

居住地域によっては自動車が必要不可欠な場所も少なくない。そのような場所でもコストが抑えられる軽自動車が人気。結局、若者の自動車離れがあるとしても、それは周辺環境の変化に伴った最適化の結果であり、若者が悪いわけじゃない。

手っ取り早いのは、若者の手取りをがっつりと増やすこと。2倍といったけど、これはあくまでも例えば、の話。可処分所得が継続的に大きく増大すれば、費用対効果を考えて、「ならば自動車を持っても良いな」と選択の幅が広まることになる。若者向けのデザインが云々という話も良く聞くけれど、結局一番大きな原因はお金。経済的問題。もっとも都心部の場合、可処分所得が増えても自動車の必要性が高まるわけでは無いので、それほど大きな効果はないのだろうけど。

この話をぐるぐる頭の中で思い浮かべていた際、ふと気が付いたのが、「結局意思決定層とかマーケティングする人の大部分が「自分達の経験則」を優先して、現状のデータを軽視するから、特に若年層周りの市場動向でヘマやらかし続けてるのかなあ」ということ。経験は大切だけど、それを活かすのではなくて縛られていたのでは、元も子もない。そんな状態じゃないのかな。貴方が向いていると思っているそのお客、貴方の時代の顧客の姿であって、今のお客ではありませんよ、みたいな感じ。


こういった話も冗談話では無く、マジ話として出てくるものだ。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月17日 06:24に書いた記事です。

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