マフィンにバターを塗らないのはマフィンに対する冒涜。マクドナルドは全ての商品で「じゅわっと感じる旨み」がないよな。 / "【マック没落】長年勤めてたバイト君の告白が切ない(´・ω・`)|もえるあじあ(・∀・)" http://t.co/AbTCEvLKZZ
— しの(貧乳) (@raf00) 2014, 10月 22
冒頭のリンク先の記事はリサーチ会社の話ではあるけれど裏付けが取りにくいもので確証度の点では疑問符をつけざるを得ないし、ツイートの中のマクドナルドのバイトの「独白」はコピペレベル以上のものではなく、確証度もさらに低い(裏付けのしようがないし、仮に話が事実だとすれば同様のポジションにあった人の追認的話が出てもおかしくないのにそれが無い。それにバイトをそれだけ長期間継続しているというのも疑問符)。ただ、結果として生じる、長年の経過の中で生じている味の劣化というのは、多くの人が指摘している事実ではあるし、当方も何となくそれは認識している。だから話の真偽はともかくとして、ありえそうな事案ではあるという点ではうなづがざるを得ない。
今件について、吉野家との比較も絡め、興味深い話が語られていたので、覚え書きも兼ねて。真偽性に関しては元々フェイクの類をツイートする人ではないということ、当方が知っている部分がちらほら含まれていることから、全部が全部正しいとの確証は持てないけれど、うなづける解説ではある。
せつない。ほんとにせつない。20年前、マクドナルドのクルーの人たちは本気で「うちは売ってるものはハンバーガーが主力ですけど、店が目指すのはレストランなんですよ」ってキラキラした目をしながら言ってたのにな。いまはその面影すらない。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
原田時代の「Made For You」とは一体何であったのかをきちんと反省し総括しなければ、日本マクドナルドの現場の立て直しは無理だと思うよ。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
吉野家・安部修仁氏のインタビュー記事などにも散々出てくるが、特に吉野家は「主力商品の味を落とすことは、最終的に屋台骨をやばくする」ということを(過剰なほどに)気に掛ける。逆に、マクドナルドはそこをMFYの名で十年以上掛けてゆっくりとそこを毀損してしまったのだ。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
おまけに十年近くの時間を掛けて、マクドナルドは店舗のキッチンをそのMFYに合わせて改修してしまったので、今すぐどうにかすることが出来ない。パンを焼くことひとつとってもだ。オーブン自体をそういうものに変えてしまったから。だから、今更それを元に戻せないのである。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
吉野家が一度倒産する前、その吉野家はフリーズドライの肉を使ったり粉末タレを使ったりして結果的に主力商品たる牛丼の味が大いに落ちたことは非常に有名だが、これは単にコストダウンを狙ったこと、ではないことはあまり知られていない。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
当時の日本は牛肉輸入が完全には自由化されておらず(自由化は91年)、買いたい量を買うわけにはいかなかった。だがフリーズドライなどの加工品はこの限りではなく、当時の吉野家はここに目をつけた。当時の吉野家は急速に出店を重ねており、原料となる牛肉の量を確保する必要があったのだ。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
一説には、このフリーズドライ肉を使うこと自体は吉野家創業者で当時社長の松田瑞穂氏のアイディアとされている。週刊東洋経済のインタビューでは安部修仁氏もこれを事実上認める発言をしている。そして、この味が落ちていることを「オヤジ(松田氏)に言えなかった」とも。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
「上の都合で味を変えて客が離れてしまっても、肝心の都合の悪い情報は上に上がって来ない」。このことを吉野家の後の経営陣は痛感したという。自分たちが上に上げなかった張本人であるからなおさらだ。これが教訓となり、吉野家はBSE発生当時でも頑なに「味を変えない」方向に舵を切った。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
日本マクドナルドでいま起きていることは、おそらく当時の吉野家がやらかした事案の数倍以上のスケールであろうと推察する。キッチン自体を十年近くかけてコストダウン目的で過度に最適化してしまい、いまさら簡単に後戻り出来ない。しかも味はじっくり落ちてしまっていて簡単にお客を呼び戻せない。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
前にも言ったが、藤田田(デンと発音してください)時代のマクドナルドは、マックうどん(試験販売)だのマックカレー(試験販売)だの究極的に頭おかしいメニューをぶち込める程度には柔軟性があった。いまは絶対に出来ない。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
別にカレーとかうどんとかを今叩き込んでもお客を呼び戻せるとは思わないが、コストダウンをやり過ぎた結果キッチンの柔軟性をとことん失ってしまい、バンズすらろくな焼き方が出来ない。それで新機軸の商品なんて開発出来るわけがないのだ。どこかで見たようなパーツの組み合わせしか出来ない。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
マクドナルドの苦境はこれからだ! みたいな言い方をずっとしているのは、根本対処しようとするとFC化した店舗も含めて店舗投資がクソ重たいのが明白であることです。しかもカネ掛ければいいわけでなくて、要は「自分たちの過去を一度否定して、その上で新しい勝ちパターンを見つける」必要がある。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
もっと端的に言うとMFYに掛けた投資は過半は無駄に終わりましたよねとぶん投げる勇気が日本マクドナルドというよりHDに必要だと思うのです。で、たぶんそれは(今はまだ)ないよねという見方をしとりま。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
飲茶とかもやってたな、そういえば。 RT @ktgohan: 前にも言ったが、藤田田(デンと発音してください)時代のマクドナルドは、マックうどん(試験販売)だのマックカレー(試験販売)だの究極的に頭おかしいメニューをぶち込める程度には柔軟性があった。いまは絶対に出来ない。
— 武信貴行 (@take_noble) 2014, 10月 22
@ktgohan 食品業界では、一般的に一度失った信用は10年以上は取り戻せないと言われますから、結果的に正しかったのでしょう。
食い物において同じ値段で味が落ちるってのは致命傷です。それすなわち信用を捨てることですから。
— タツコマ※叛逆のガルパンおじさん (@tatukoma1987) 2014, 10月 22
@Simon_Sin 分かりづらいところでうまくやってるところもあるのですが、月見とかチキンタツタとか年に一度二度の投入となる季節商品ですと「あれ?」と思うことがしばしあります。うまく改善されてるパターンもあるので全部が全部だめなのではないのですが...
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
そうでしたそうでした。飲茶あった。あれもすげえ面白かった。二度とやんないと思うけど。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
@ktgohan 「マクドナルドなんてこんなもんだろ」と思ってるので実は不味くなっててもそんなに気づかないかもですね。ましてやMFY導入前の味なんてほとんどの人は覚えてないだろうし。でもその違いが実は売り上げに影響してるとすれば怖い話ですね
— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2014, 10月 22
@Simon_Sin ここの解釈はたいへんに難しいところです。仰る通り急速に味が落ちたという事実はなくて、味が落ちたから即ち客が離れたとも言い難いとも思うところです。が、そこに価格施策の迷走や新商品設計への制約やらが重なりましたので...
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
@Simon_Sin その意味では日本マクドナルドの業績が長期に渡り低迷傾向にあるのは、原因が重層的なもので、なおかつその一つ一つが不可逆なところにある、という意図で書いております。不可逆性がなかなか高いものの一つが店舗設計の問題であり、しかもそれが商品の味にも影響している、と。
— ktgohan提督 (@ktgohan) 2014, 10月 22
@ktgohan まあ、「作りたてを提供する」という点ではMFYは作った後の味の低下はないのでしょうが、そもそも「50秒以内の高速調理」という点では従来のダイレクトオペレーションよりも不味くはなっている筈なんですよね。パティ両面同時焼成とかなんか工場みたいだし。
— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2014, 10月 22
常用商品の簡略化ってのは、実は食品に限らず色々な商品、例えば家電、分かりやすい例ならばゲーム機でもよく行われる。初期ロットとかなり普及した後のゲーム機の内部を見比べると、随分と部品が簡略化されているんだよね。部品の高性能化、チップ化など色々な仕組みを取り入れて、同じ機能をより安価で成せるようにしている。まあ実際のところそれで実性能が上がる場合もあるけど、長い目で見ると性能が落ちたりすることもある。耐久性とか、再生エラーの比率とかね。ただしゲームをプレイする分にはほとんど気が付かないので、あまり問題にならない。
ところが食品の場合は実際に口にする、しかも頻度が高い。味って結局時系列を超えた数量計測ができないから、「これくらいなら問題は無い」とばかりになあなあモードになりやすく、将棋崩し的な状況を創りやすい。でもそれは同時に、お客の信頼も同時に崩してしまうことになる。
そりゃ少ししか変わらない味の劣化で、具体的、確実な数量変化としてのコスト削減、製作時間の短縮が図れれば、発案実行した側はドヤ顔できる。「ほとんどお客満足度を変えずにこれだけコストを減らせました」ってね。利益の拡大は企業目的の一つであるから。そして数字化できない部分はどんどん軽視されていく。その数字化できない部分が大きなものとなり、数字化されている他の部分に影響を及ぼす頃には、取り返しがつかなくなる......というのが今のマクドナルドの状況、という分析って読めばいいのだろうな。
個人的には中期的に、それこそ今世紀に入ってからこの「爆弾」を抱えた構造が出来上がっていて、その火薬量が少しずつ増していったけど、巧みに隠れていた状態が続いていた。でも先の震災で消費者性向が大きく変わり、対応がしきれない環境が生じるようになった。そこで一気にこれまでの問題が露呈し、その穴を埋めるために「これまでの手法」をより強力にした結果、転がるスピードが加速したのではないかと考えている。【マクドナルドのメニューの件】でも伝えた、お客の便益を二の次にしたカウンターメニューの撤廃や、ゲーム感覚での60秒トライの件とかが、顕著な状況の表れと考えれば、納得もいく。
軍事周りの話で例えると、今のマクドナルドは、自国向けの戦車の価格で正規品と銘打って、モンキーモデルを提供しているような状態なのかもしれない。機動戦士ガンダムで例えれば、ガンダムを提供すると表してジムが出てくるような、そんな感じ。
上の指摘にもあるけど、食品業界では一度味の点で信頼を損なうと、味を回復した上でも信頼の回復には10年単位の時間が必要になる。仮にマクドナルドがその状態にあったとして、10年の苦行に耐えられるだろうか。いやその前に、味そのものの回復を果たせるだろうか。
あるいは他の起死回生策を見つけるのかもしれないけれども。
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