座席の角度を上げて足の投げ出しを防止するという発想が面白い

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東京の新橋と豊洲の間を結ぶ新交通システム「ゆりかもめ」。1月から順次置き換えている新型車両の座席は、座る面をひざ側に9度上向くようにした。こうすると、座った人は自然にかかとを引く姿勢になるという。狭い車内でも乗客がスムーズに乗り降りできるように、車両をつくる三菱重工業が工夫した。

電車の利用客には多種多様な人が居て、当然行儀の悪い人もいる。電車内のマナー啓蒙ポスターでも、足をせり出したり伸ばしたりで、通路を通る人の邪魔になったりするなどのトラブルが起きないようにしましょうという表記は必ず見かけることができる。ただ、啓蒙が続いているってことは、見方を変えると、そのような問題が継続しているわけで。

それを物理的に抑えようという発想がこの座席。お尻を当てる部分を幾分せり上げて膝の部分が高くなるようにして、足のせり出しがしにくくなるようにしたというもの。自転車置き場にラインを引くと、そのラインに従って自転車を置くようになるってのがあるんだけど、今件はさらに一歩先に進み、実際に姿勢を半ば強要するという発想。

都市向け鉄道車両は効率的でフレキシブルな人員輸送のために通路や立席がより多く確保できるロングシート配列が採用されています。従来のロングシートは背もたれが低く、加速・減速・カーブなどの揺れに対して、着座する人の上体を安定的に保持することができませんでした。


今回当社が開発したG-Fitは、バケット形状のバックレストを肩の高さまで伸ばし、さらに15度後ろに傾斜させることによって上体の保持性能を高めました。また、座面の前面をわずかに上げたことによって、座った乗客が踵を引く動作を自然に行い、脚を投げ出しにくくするなど、都市交通車両用シートとして、疲労の軽減、プライバシーの確保とマナーの向上に役立つことを狙った製品です。


で、元資料を調べてみると、単にマナーの改善だけが目的じゃなくて、むしろそれはサブ的な話。使っている人の疲労軽減やプライバシーの確保がメインなのだそうな。最初おおもとの記事を見た時に「マナーはよくなるかもしれないけど、乗っている人が疲れてしまうのでは?」という懸念があったけど、実態としてはむしろ逆だったという次第。なるほどね。

コスト的にも特に問題となる仕様では無いし、他の通勤車両などにも積極的に取り入れてほしいデザインではある。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月24日 07:59に書いた記事です。

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