たまには具体的な話をします。小規模企業共済というのがあります。事業主の退職金を積み立てる組織です。漫画家は退職金ないですから、年取って廃業したときのために月に2万とか私はずっと積み立ててました。貧乏漫画家なんで蓄えとかないんですがwで、昨年妻が白血病で入院して折悪しく私も(続く
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2014, 10月 26
知識は人生を豊かにする、という言葉の代表例的なものの一つが、この「小規模企業共済」。要は会社勤めで無い人のために用意された、個人的退職金制度。といっても勝手にお金が振り込まれるステキシステムではなく、あらかじめ自分自身で積み立てておく必要がある。自営業などは会社から退職金をもらえるわけではないので、将来の備えの仕組みとして、似たような制度を作ってあげましょうということで整備されているもの。詳しくは【小規模企業共済】の公式サイトにも記載されているけれど、色々な特典がある。何度か紹介している、公的年金と同じように、知られていない特典もあったりする。
制度としては結構有名では、と思ったのだけど、上記のツイートの反応を見るに、認知度はまだまだ低いのかなあ、ということで、その便宜性というか「もしも」の時のお役立ち実例として、覚え書きもかねて。
続き)半年くらい仕事がなくて(当然無収入)さてどうしようかというときに、この積み立てを思い出しました。解約しようかと思ったんですが、そうじゃなく積立金を担保に金を借りた。数百万を入院費用と生活費に当て生き延びました。これのいい所は最悪返せなくても自分の金ですから借金にならない(続
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2014, 10月 26
続き)一年に一回借金契約をしなおすんですが、その時返せるだけ返していけばいい。ダメなら満期のときまで利子だけ払って逃げ延びることもできます。妙な金融で借金こさえるよりずっといい。もっといい手もあるんでしょうが、こういう方法もあると意外と同業者でもご存じないので書いておきます。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2014, 10月 26
二十代の始めに税理士さんから教わったんですよね>小規模企業共済。その後その方とは縁が切れて妻が経理をやるようになって、十年くらい前からまた税理士さんをお願いしてますけど。若い頃教わっててしみじみよかったと思ってます。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2014, 10月 26
補足)前述の件、最悪借りた金が返せなくても自分で積み立てた額以上の借り入れはできないのでマイナスにはなりません。満期になったとき本来ならもらえるはずの退職金がもらえないだけです。それでも妙な金融から借金取りに追われるよりは何倍もましです。漫画家でなくても個人事業主の方いかがかと。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2014, 10月 26
ちなみに漫画家を「廃業」したということで前述の「退職金」を受け取ったら、もう漫画で収入は得られないのか、得たら虚偽の申告とか問題にならないのか、と税理士さんに聞いたら、そういう場合は申告の記入がこう変わるだけです、みたいな話も聞きましたが、そういう予定はないので詳細は忘れましたw
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) 2014, 10月 26
つまり将来のための積立貯金みたいなもので、積み立てた分ぐらいまでは非常に低金利の借入金の担保としても使うことが出来る。もちろん継続性、積立性の常で、早ければ早いほどその複利的効果が得られるので、該当しそうな立場にある人は、早めに知っておき、興味があるのなら利用した方がいいやね。何しろ掛け金は全額所得控除となるのはポイントが高い。つまり医療費控除などと同じ。
自営業、自由業の類は横のつながりが薄いことが多いので、このような話も伝達がされにくい。税金周りに疎い人も多いので、後になって「しまった、もっと早く知っていれば」ということのないよう、チェックをしてほしいな。
あとは似たような仕組みとしては、国民年金基金ってのもある。これはまた別の機会にでも。
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