バイラルメディアやらネイティブ広告に「はてな?」を呈する動き

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米国のネットメディアはどうも、広告であることを明示したくないようだ。広告掲載ネットメディアの覇者であるグーグルや、メディアブランドの頂点に立つNYタイムスまでが、こっそりと時間をかけて広告であることを分からないようにしている。広告と編集の境界があいまいなネイティブ広告の台頭に伴い、メディアサイト側で広告であることを隠そうとする動きがいつのまにか広がってきているのである。

コピペ、盗用ブログの類を海外の概念であるバイラルメディアやキュレーションと言った横文字のラベルを貼りつけて正当化しドヤ顔している、さらには結局のところステルスマーケティングやん的な自称ネイティブ広告を展開する日本の風潮に「なにそれ酷い」「検索エンジンもまともな仕事しろやゴルァ」という類のツッコミをしばしば行っているのだけど、その元となる海外でも、疑問符を投げかける声が上がってきたという話。

要はこれらの新機軸の数々は目新しいことに加え、誤認を多分にさせるものだからこそ、コスパが低く楽が出来るからこそ効果が上がっているのであり、そこには正当な発想による効用とは言い難いものがある。例えるならば特許内容を盗用して開発費を浮かせたり、他人の畑から盗んだ野菜を使って料理を安く提供したり、商業誌をコピーして編集して同人誌を造りぼろ儲けしたり、ブログ上の飼い猫の写真を盗取して猫の写真集を出版したり、そんな感じ。

 ネイティブ広告が生まれてきた背景も、インターネット広告が消費者からもっと受け入れられる存在にしていきたいという願いがある。そこで広告を編集と同じような体裁(フォーマット)で見せることにより、なるべく広告を読み飛ばされないようにし、さらに広告コンテンツも編集コンテンツと同じように消費者にとって役に立ったり楽しめるものにして、消費者に受け入れられようとしているのだ。

ネイティブ広告に限っても理想としてはこのような主張がある。それは理解できるのだけど、現状はそれとはかなりかけ離れた実態が先走りしているのが実情。ぶっちゃけ、究極のネイティブ広告ってのは、ごく自然に記事の中に挿入されるアマゾンへのリンクみたいなもの、あるいは書き手が推奨したいという思いのもとに書くレビューのようなもので、広告出稿主から積極的な広告アプローチをする類のものではないと思うのだよね。

海外ではようやく反発の声が出てきた。元々ステルスマーケティングなどへの反発が強いことから、一度この類の話が出てくると、結構なムーブメントになる......というか、目を覚まさせる動きになると思う。そもそも「消費者をだましていると思わせる行動」ってのは、ネイティブ広告に限らずやっちゃいけない。「李下に冠を正さず」でなければ中長期的な信頼と成果を勝ち得ることは出来ないのだね。

で、これに絡んでこんな話が。


紹介先の記事で解説されている内容はといえば、自称キュレーションなサービスのBUZZNEWSをコンテンツ盗用などでツッコミを入れてみたというもの。ツッコミをしている側もどちらかというと以下略系な香りが多分にあるため、現状では今後の動向を見極め、結論がついてから再精査をした方がいいんだろうなあ、というもの。悪質なまとめサイトと合わせて、全部一緒に蠱毒状態になるってのも面白そうではあるのだけど。

さてどうなることやら。上場企業も絡んでいる類似サービスもあるだけに「法務部仕事しろ」的な感もあわせて、事態の成り行きを見守りたい所ではある。

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このページは、不破雷蔵が2014年10月29日 07:45に書いた記事です。

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