「35人に聞きました。世間の実情です」「その35人って誰や?」的な新聞報道

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電車内で、網棚にかばんや荷物を載せる人をあまり見なくなった。ある程度混んでいても、網棚には何もないという光景が日常化している。大阪・ミナミで20~69歳の男女35人に「電車の網棚にかばんや荷物を載せますか」と質問すると、「載せない」か「基本的に載せない」という回答が約8割の27人を占めた。20代の14人では、2人を除いて"載せない派"。

全部が全部ってことはなく、素晴らしい、ためになる、感銘を覚える記事を書き連ねてくれる記者もいまだに多数いることに違いはないのだけど、昨今新聞報道やテレビの文面で「なにこれひどい」的な内容のものが目に留まりやすくなったのも事実。元々その程度の質でこれまでは流し読み・聞きだったので気が付かなかったのが、反復精査されうるネット媒体上に掲載されて日の目を見る......というかさらされることになったのかもしれないけど。

先日の【少子化対策よりグラフの見方をどうにかした方が良いよね、な日経の記事】と同じような、数字的な観点で首を思いっきり歌舞伎役者のように傾げまくってしまうような話が。

要は電車の網棚など要らんってことをつらつらと書き連ねているんだけど、その前提が調査対象母集団35人の調査。しかもごていねいに記事ではグラフまでしたためている。......おーい、その35人の調査様式もほとんど書いてないし、第一35人じゃバラつきまくりだろうが。しかもその結果をもってタイトルに「大阪の乗客80%が使わない」と堂々と用いている。印象操作と言われても否定は出来まい。

こういう類の話を見ると、よく言われる「始めに結論ありきで、そこから色々と肉づけをしていく」という新聞やテレビの取材記事の仕組みを、改めて認識させてくれる。捏造や隠ぺいという話ではないけど、信ぴょう性に欠け、公器の報道媒体に載せる価値がありやなしやというレベルのもの。


こんなツッコミをされても仕方ないわな、ホント。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月 1日 07:58に書いた記事です。

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