原材料があれば内部機構はともかく、造型としては大よそのものが作れてしまう、まるでドラえもんの秘密道具のようなステキマシーンの3Dプリンター。民生用はまだまだ高価で性能も今一つだけど、色々なアイディアのもとにこれまでは想像もつかなかったような切り口での利用方法が考案されている。自在な造形の食品を作り出す......っても今のところはピザのような練り物系だけの食品創生マシンとかね。
今件も指摘されてみれば「ああ、その発想は無かったわ」的なモノ。記事タイトルにある通り、月面基地の建造に3Dプリンタを使用するというシロモノ。とはいえ、前に話題に登った、プリンタでプレハブ的なパーツを創って組み立てていくというものでは無い。
詳しくは動画を見れば分かるけど、根幹部分はこれまで通り地球上から持参した材料を使って作り上げる。3Dプリンター......ここでは自動稼働型の掃除機みたいなものだな......で作り上げるのは、その根幹部分をカバーする外壁の部分。月面に無数に存在する砂や土などを用いて、自動計算した上で根幹部分を盛り立てて、強固な要塞のように仕立ててしまう。壁を厚くすることでトラブル系の要素、例えば小物の飛来や各種宇宙線から基地内部が守られるという仕組み。これなら防護用の壁の素材をわざわざ地球から持ち込む必要が無いので、建設はかなり楽になるという仕組み。
自動稼働型の3Dプリンターの精度とか、月面上の砂などによる防護壁の効用がどれほどのものなのか、検証の必要はあるんだろうけど、発想としては非常に面白い。確かにこれなら楽で済む。「現地調達」って発想を3Dプリンターで実現するあたり、なかなかやるなぁと思わせてくれるアイディアではある。
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