昔にも言ったけどNDA(機密保持契約)締結しないと仕事の内容やギャランティは話せないなんてゴネるところがあっても、仕事を受ける本契約とは別なので聞くだけ聞いても仕事は断れる。そこをさらにゴネてもう後戻りできないとか言い出したら恐喝なので司法に相談した方がいい
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
NDA(機密保持契約、秘密保持契約:Non-disclosure agreement)ってのは一般にはあまり聞きなれない言い回しであるけれど、あるいはGDPとかTPPよりも重要かもしれないもの。個人で自分の力量を発揮してお仕事をする人には、特にその可能性が高い。要はその名前の通り、「ここに書かれている事柄については秘密だから、第三者に語るのはナシよ」というナイショ話の約束を私文書で交わしたもの。もちろん契約だから、それに抵触するような事をすれば、こっぴどく叱られるし、下手すると賠償が発生したり、さらには裁判沙汰になる。
で、クリエイター系の人がお仕事の受注をする場合、大抵まずこのNDAの締結が求められることになるのだけど......指摘の通り、NDAを結んだからと言って、仕事をすることが義務付けられるわけではない(書類に「仕事します」と書いてあれば話は別だけど、普通はNDAにはそんなことは書いていない)。例えるなら、遊園地の入場料は支払っても、個々のアトラクションの料金を支払って楽しむ義務はないということ。入場料を払って中に入ったけれど、個々の遊技が高すぎるので様子見だけをして外に出るってのも一向に構わない。
もちろんNDAは結んでいるから、こんな契約をして仕事を依頼された云々ってのは、第三者に語っちゃいけないのは言うまでもない。
NDAでどこまで隠せるのかってだれかテンプレ知らないかな ギャラとか作品ジャンルはNDA以前だろ多分
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
未発表の仕事を呟いちゃうのはもちろん完全にNGなのですけど、
「今はまだ言えないお仕事してるんですよ。フフ」とか「早くアレの発表したいなー」とか、漏らしたくてウズウズしてる呟きをするのさえ我慢出来ない人もやっぱりクライアントさんに信頼されないのよ。
#NDA契約面倒だけど要るよね
— CHOCO@火曜シ32a (@choco_mugi) 2014, 11月 28
@zi38 横からすみません。気になったのですが、契約において契約金額・契約内容が明示されない契約は成立しないと思います。取引間で錯誤が生まれる可能性があるものが成立するとは思えないのです。なのでNDAで隠せるようなことではないと...。かじっただけの民法知識なので強く言えませんが...
— えな (@ena622) 2014, 11月 28
@ena622 普通はそういうものですね。報酬額や作品形態は最初に明示されるべきで、NDAが必要となるのは企画のアイデアに関係する物と関わる業者の情報等に関してだと思います。絵描きをバカだと踏んでそれで押し通せると考えての主張でしょう
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
@choco_mugi @kymg 黙々と人知れず長い間仕事に励んだ結果、企画自体が何らかの原因で消滅し、描いた素材も権利を回収されて自分で発表する事も出来ず、結果として何も世に残す事が出来ないなんて事になった例をいくつか見てきてます...ね...
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
外注デザイン仕事する人は、最悪企画が倒れた場合その権利を自分の元になるべく返却してもらえる様に準備しておいた方がいいよ...クライアントの条件によるから必ず出来るとは限らないけどやらないよりやった方がいい
黙々と働いたのに無駄骨の挙げ句何もしてませんでした扱いなんて浮かばれないよ
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
デザインの著作権や権利ってのは在処がとても不安定というかその時々で、クライアント側(ディレクターとか)のアイデア無しには完成しなかった場合とかだとデザイナー側が権利を主張しづらかったりするよね なので最初のうちに約束事を決めといて後々の最悪の可能性を想定しておいた方が安全だよ
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
何年も未発表の仕事に時間とアイデアと体力を費やした挙げ句企画消滅して
権利はクライアントが取り上げてさようならじゃ当初のギャランティもらった所で何の癒しにもならないからなー
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
クリエイターってギャランティだけではなく、「発表されて衆目に触れ、次の仕事に繋がる」事を欲していると思うので、クライアントの方々はそこの所を忘れて欲しくないものです
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
多分権利や報酬を見て見ぬフリしても30代前半くらいまではなまじ行けてしまうのが結構なトラップで、それが30代後半にさしかかったときに一気に目の前に立ち塞がります。自分も含めて目の当たりにしてるので・・・結構な恐怖感ですよ、コレ。
— フクダーダ (@ffkkdddd) 2014, 11月 28
@kuro_ye ほんと残念ながら...お金もらえるのは勿論有り難いけど、作品見てもらう事自体に生き甲斐感じてるので、外注は外注なりにそれを無駄にしない様に努めたいですね
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
ゲーム開発とかデザイン、絵の類は技術開発に近いものがあって、多分に作業の目安がぶれるところがある。本当に細かく分散した上での下請け的なレベルまでいくと「カット何枚」って感じで作業量を明確化した上で受発注できるのだけど、それより上になるとどの程度の仕事を任せることになるのか、出来るのかの目安がつきにくい。定額保障で後は成功報酬......的な話が一番なんだろうけど(書籍の印税とかが良い例だな。初版分は出版社買取扱いで印税=原稿料でちょいと上乗せ、二刷り以降が出れば印税として、とかね)、それも難しいので、指摘のあるような原稿料まで完全に固めた上での契約は難しい。これが後程、支払いやら権利やらでもめる要因になるのは仕方ないのかな、という一面もある。
一方で、クリエイティブ面の多い仕事の場合、自分の創作物に対する権利はしっかりと把握し、主張できるものはボンガボンガと主張し、予防線を山ほど張っておく必要がある。直前のピクシビ周りでは、恐らくその辺はまったく無視されてるんだろうな。近所の絵の上手い人にちょっと絵を描いてもらって、お昼ご飯をごちそうした位的な。
ゲームアニメ系の専門学校とかってそういう交渉術とか自分の作品の権利を守る方法とか教えてたりしてないのかな ぶっちゃけ1~2年で絵のイロハ教えるより有意義なんじゃないかなって思うけど
— 三輪士郎C87火曜日シ45ab (@zi38) 2014, 11月 28
@zi38 それはありですね。結局のところフリーで仕事するというのは確定申告すると事業主であることからも明らかで自営業なんですよね。そうなると経営学なり経済学、それに付随する法学の知識は必要になりますからね...。今は大学も専門も飽くまで企業への就職を前提とした仕組みなんですよね。
— るね (@stillness) 2014, 11月 28
これも指摘の通りで、お金の概念にはじまり、契約上の注意事項(NDAの話とか。折衝の上での留意点とかも。口頭でも契約には成りうる。錯誤が確認されればまた別だけど)とか、経済関連のお話とか、さらには保険やら確定申告の話やら。まぁ、この辺になると結局、個人事業主として必要なノウハウや知識ってことになるので、それこそ半年ぐらいのカリキュラムでがっつりと叩き込むだけの必要はあるし、その価値はある。今のゲーム・アニメ系専門学校にも求められるような内容ではあるのだけど、以下略。
......むしろ、個人事業主向けのカリキュラムを詰め込んだ専門学校なり通信教育講座を開いた方が良くないだろうかという感はある。賢いお金のやり取りも含め、それこそFPの資格を取れるぐらいの内容で。色々と応用は効くし、仮にサラリーマンなどに転じた後も、役に立つ話ではあると思うのだけどな。
ともあれ。NDAと個別契約は別物。NDAを結んだだけで、仕事の受注をOKしたわけじゃない。もちろんNDAを結んだ時点で、関連する話を口外するのは論外。それらしいことをにおわせるのもアウトで、関連事項が自分の生活に存在しないものとして日々を過ごし語る必要がある。におわせるのもダメ。そしてお金と権利周りについては、自分の時間を費やして生成したものである以上、真剣になって考え、権利を主張し、予防線を引いておくこと。そのための自己修練も欠かさずに。
それこそ、漫画家に限定されてしまうけれど、絶版マンガ図書館あたりでこのような話のカリキュラムを組めばいいんだけどなあ......。欧米だと業界団体がやってそうな気もするし。
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