自営・自由業者に「干す」「潰す」と語るのは「お前はすでに死んでいる」と語るのと同じ

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話のとっかかりがいくぶん突拍子も無いように見えるけど、実のところ直前まで実名を挙げて色々と類似の話について語られ、その関連で......という流れ。その直前の部分は今件の話においては、肉づけにはなるけど骨子には該当しないので省略。

法人単位でのやり取りでも時折、大手が小規模事業者に対して語られる場面もドラマなどで見受けるけど、多くは企業の担当などが個人に向けて放つことが多い。あるいはベテランの自由業の人が、新人や意見の異なる同業者に語る場合とか、ね。で、今件はその「干す」「潰す」という言い回しは結構ライト感覚で使われる節があるけど、実態にはそうでは無い事を重々承知した方がいいよ、という話。


例えば稲作農家なら「干す」ってのは言葉通り水を止められること。そうでもなったら雨が降ってこなければ自分の田んぼからの収穫は望めず、まさに命を絶たれてしまう。すでに一生食い繋げるだけの蓄財があるか、あるいは他の職のつてがある、あくまでも干された対象が副業的なものならともかく、まさにライフワーク的な、自分の技能を傾け、精魂込めてこなす類のものならば、日々の糧が無くなるという意味でも、生き甲斐を絶たれるという意味でも、「お前はすでに死んでいる」「はい、あんたの一生、終わった!」と宣告されたのにも等しい。

そういう宣言をされて、「はい、そうですね」と黙って引き下がれる人がどれだけいるか。そして「干す」「潰す」の言葉がそれだけ重きを持つことを認識したうえで語る人がどれだけいるか。特にこの言い回しは冒頭でも触れた通り、それなりに権限なり影響力を持つ人が語るものだから、言われた方は冗談と受け取れるはずもない。

心の髄からそう思うのなら、「干す」などの言葉を使ってもかまわないけれど、それなりの覚悟は必要。まぁ、見方を変えれば、その言葉を発した時点で、語った側は負けなんだけどね。

多少アグレッシブなところもあるけれど、匠の職を持つ人には、自分の手立て、業を否定する、糧道を絶つという発言が、どれだけ大きな意味を持つかは、知っておくべきだろうね。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月 7日 07:26に書いた記事です。

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