いつもペンギンと共に楽しく日々を過ごしている子供の物語。テレビを観るのも食事をするのも外で遊ぶのも、寝るのもいつもペンギンと一緒。その子供がペンギンの様子の変化に気が付いたのは、ある恋愛もののテレビドラマを観てから。それ以降、ペンギンはカップル同士のやりとりに目を留めるようになる。それを見て「あ、なるほど」と気が付いたそぶりを見せる子供。
ある朝、ベッドで横たわるペンギンを起こす子供。そこにはクリスマスプレゼントの箱から出てきた、つがいのペンギン。喜び勇んで駆け寄り、求愛行動をするペンギンと、それに応じる箱の中にいたペンギン......良かったねという顔を見せる子供。
ここまでならちょっとファンタジー的な、リアルペンギンを飼っている子供の、ちょっと粋なプレゼントということでオチが付くのだけど。最後の数十秒で「あっ」と驚かされる切り返しがある。
子供が持っていたのは薄汚れたペンギンの縫いぐるみ、そして新しいペンギンの縫いぐるみ。そう、これまで子供と一緒に生活していたあのペンギンは、子供の持っている縫いぐるみだった。子供の視線からは縫いぐるみではなく本物の、親しい友達としてのペンギン。つまり前半部分は子供視線での情景だった次第。そしてボロボロになった縫いぐるみを見た親が、新しいものをということで用意したクリスマスプレゼントのペンギンを、自分の大切なペンギンのつがいとして大歓迎したというお話。
親にしてみれば「ぼろぼろの縫いぐるみ」にしか見えない古いペンギンも、子供からはとても大切な友達。恐らくは親側は、子供が新旧の縫いぐるみの御対面をさせているところを見て、それにようやく気が付いたんだろうね。先日の【新しいものでも代替できない思い出はプライスレス】を思い起こさせる話ではある。
これはイギリスのデパート「ジョン・ルイス」のクリスマスキャンペーンのテレビCM。再生回数はすでに1000万回を超えているけど......まぁまあ当然だろうな。
コメントする