「医者を見たら死神と思え」の連載開始号、よりによって近藤某氏が表紙で「告発者」のコピー付き

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【「小学館の編集者を見たら犯罪者と思え」と言われたら怒るよね? 当然だよね!?】などでも触れた、小学館のビッグコミックで連載予定だったエセ医学をテーマにした「医者を見たら死神と思え」。そのエセ医学の主導者の一人近藤誠氏を監修に据えてるあたりで「これは漫画なのでフィクションなので問題ナッシングーみたいな、というか、感じぃ?」的な言い訳は通用しない感が強いのだけど、先日その連載のスタート号が発売されていたのを店舗で目に留めた......というか、正確にはほとんど忘れていたのだけれど、雑誌コーナーに並ぶ新刊の中で、同誌の表紙が目に留まって愕然とした次第。とてもじゃないけど立ち読みですら目を通す気力も勇気も無く。買うのもシャクなのでその場を後にした次第。

何度も以前に触れているけれど、タイトルそのものだけで十分名誉を棄損するものであるし、「告発している側の主張だから問題ない」って理屈も通らない。それがOKなら「意見の主張、告発であれば、どのような内容を語っても、大きなメディアで述べても許される」ことになる。そんなバカな。


これは邪推かもしれないけれど、「ビッグコミック スピリッツ」の美味しんぼ、「ビッグコミック スペリオール」の「かびんのつま」、そして「ビッグコミック」の「医者を見たら死神と思え」と、すべてがビッグコミック系列なんだよね。同じ小学館でも「妖怪ウォッチ」特需が吹き荒れている子供向け雑誌(何しろあの「小学一年生」「二年生」ですらその恩恵を受けている)と比べ、少年・青年コミック誌は軟調な状況が続いている。同じ小学館の中で焦りを覚え、立場も窮するようになり、ハイリスクな手立てを講じるようになったのかなあ、と。あるいはそのような状況に付け入る、その類の方々の巣窟と化しているのかもしれない。

いずれにせよ、弱者の恐れを悪用して注目を集める手法ってのは、認知されるべきではないし、コミック誌そのものに対する冒涜であるのと同時に、大変よろしくない事態を招きかねない。色々な意味で。

「両論併記」ってのは先の「美味しんぼ」でやらかした手口。最後に免罪符的に、プッシュしてきた似非科学的・妄想的な内容の主張と、正論・科学的なものを「同列に」並べることで、「双方の意見をちゃんと掲載しましたよ」「だから僕たちは公正です」と逃げを打っている。実際には模写のシャガールと本物のシャガールの作品を同列に並べて、同じような作品ですと展示しているのに等しい暴挙なのに。

次号説明によると、今作品は次号も大プッシュらしい。幼児向け雑誌の、「妖怪ウォッチ」の小学館が、「エセ科学を漫画で推奨する、社会的に罪悪な存在の」小学館にならないことを祈りたいものだけれど。

ちなみに「美味しんぼ」問題が起きた期間のスピリッツの印刷部数、それ以前と同じペースで落ちている。煽動作品によるドーピング効果は無かったということだね。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月13日 07:03に書いた記事です。

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