乳製品の高騰と市場動向と円安と

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小売市場では9月あたりから具体的な動きが見えていたけれど、昨今ではその状況がかなり大っぴらな形で体現化しつつある、乳製品、特にバターなどの品不足と高騰化。当方が常飲している牛乳もちょいと値上がりしてて、おや、とか思った次第。で、今件に絡んで指摘があったので調べてみると、どうも一部政党の機関紙がこの原因を円安が悪い云々として対抗政党をバッシングするネタに使っているらしい。

で、その円安云々ってのは先日【円高・円安と産業の話、数年前の1ドル80円台ってのは超異常だった】でも触れている通り、現状のレートでも金融恐慌直前のレートでしかないのだよね。だから円安が原因で云々ってはあまり筋が通らない。むしろ原油代やその他資材、特に飼料周りの高騰が響いているはず。

上の世界食糧指数の動向記事でも解説の通り、世界的な乳製品は去年の春から今年の春まで急騰。その後、ほぼそれ以前の状態位にまで安定化。乳製品価格の高騰理由は主に、中国、北アフリカ、中東、ロシア(特にバター)の需要の増加。粉ミルクに関しては以前買占めがニュースに登ったことを覚えている人も多いはず。「乳製品が大きく上げているのは、中国の粉ミルク需要の急増に伴うもの。バターやチーズの生産業者もこの需要に応えるべく、生産力の一部を粉ミルクに振り分けている。結果として需給のバランスが崩れ、バターやチーズも値上がりした」なんて話もあった。

一方で日本の酪農分野においては、この辺りは調べ始めるとキリが無いのだけど、


などの資料にある通り、最近の円安が云々っていう話では無く、中期的に農家数や人数が減っている。農協側でも規模を拡大・数の集約化で採算性を確保しようという方針があるようなんだけど、規模の拡大は管理の大変さをも導くという事で、酪農家自身の負担も増えて頭を抱えてしまうという事案が増えているらしい。

海外の例に習った経営方針にシフトするのか、日本風のスタイルを導き出すのか。いずれにせよ、ビジネスとして行う以上、お金周りでそろばん勘定がなりたつ仕組みを早急に創りだす必要があるんだろうな。もっとも土地周りは今後余りそうなので、規模の拡大に伴う労力増加の負担における問題解消が出来れば......とは思うのだけど。

追記:


影響度合いの具体的な数字はないけれど、電気代の高騰は指摘の通りで、それが関与した可能性は十分にあるだろうなあ。となるとやはり、発電方式に関する問題が大きなネックとなってくるのか。燃料費の高騰は電気代値上げに関してはごく一部の要因でしかないし。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月18日 06:53に書いた記事です。

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