「大企業の内部留保を活用し、国民の所得を増やす経済改革」「うん、それ無理」

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プロモーションや集客手法の一つに「マジックワード」を使うってものがある。多くの人が興味関心を引きそうな言葉を前面に出してそれを巧みに使い、内容は間違っている、あるいは実態のないものであっても同意をさせ、支持を集め、虜にしてしまうというもの。いわば手品みたいなもので、実際には種も仕掛けもあるものだから、それが分からないうちは信じ込んでしまうけれど、実情が分かると「なんだあ」と我に返ってしまう。それがステルスマーケティングのような、意図的で悪意あるダマシだと、感情はマイナスに振れることもある。「よくもだましたな」みたいに。

で、これまでもしばしば見受けられたけど、最近急激に使用頻度が高まり始まったのが、この「内部留保」。例の某個人ニュースの某労組書記も、それこそ二日に一度は内部留保ガーと叫んでいるし、上のような話もある。

どうやら企業の会計上の内部留保を、帝政ロシア時代の貴族の宝物庫と同じように考えている、あるいはそう思わせたい雰囲気がある。前世紀の共産党革命はまさに、そのような貴族のお宝を開放し、人民に分け与えてヒーローになるって図式だったから、それの再来を願っている、あるいは基本理念としているのかもしれない。まぁ、大塩平八郎の乱とか、他にも似たような話はいくらでもあるけれども。


結局のところ埋蔵金や特別会計、ちょいとさかのぼれば年金と同じように、マジックワードによるフレーズキャンペーン的なものなんだろうなと思うと納得がいく。会計関連の資格を持っていて理解できていないはずはないので、一部に「それは違う」という認識を持つ人が居ても、分からないふりをしているか、分かっていても黙っているんだろうな。

「内部留保を活用」。この言い回しが出て来たら「ああ、この人はお金周りの事を全く理解できていない」という判断を示しても良いと思う。機会があれば試しに「では具体的にどのように内部留保を抽出し、それをどのように活用するの?」と聞いてみれば、まともな答えが返ってくるのはどれ位なのだろうかな。

内部留保の中には預貯金も有価証券の類もあるだろうけど、なぜそれがあるのかをよく考えてみるべき......という理性的な考えが出来る人なら、そもそもこんな強弁はしないか。

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このページは、不破雷蔵が2014年11月24日 07:16に書いた記事です。

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