電子書籍を導入したら読了する速度も2倍になる、そう思っていた頃が私にもありました......。実際は積み本が4倍になっただけでした
— kino ask me another (@kino_co) 2014, 11月 25
電子書籍には多種多様な長所・短所があるといわれているけれど、そのうち長所の一つとされているのが、読むスピードが上がるのではないかという話。持ち運びもし易いし、すき間時間も使いやすいし、紙をめくる際のトラブルも無い。思い返してページをめくり直し、お目当ての部分を探す際も、しおり機能やら検索機能、索引を探せばあっという間。そしていくら本を購入して一時的にため込んでいても、場所を食う必要は無い。これなら読むスピードも2倍どころか3倍になり、真っ赤な状態になるんじゃないかという期待すらある。
少なくとも購入したにも関わらず目を通すことなく、積み上げられる「積み本」を目の前に、自分のダメさ加減を認識するとともに、「ああ、もしかしたら自分は本を読みたいのではなく、本を買ってその情景に満足したいだけなのかもしれない」という自分の内心を知ってしまうのかもしれない(テスト試験の前に、参考書や過去問を手に入れて、それで満足しちゃうモード)。
でも実際は......
指摘の通り、積み本が4倍に、とまで行くか否かは人それぞれだけど、未読本がさらに増えるだけ。そういう人も多いのではないかな。確かに速く読めるし、すき間時間を使って読める機会も増やせる。でもそれ以上に購入するハードルは低くなり、ついつい色々な電子書籍に手を出してしまう。あ、あの本があるんだ、この本が値引きしてるぞ、紙の本なら偶然にしか出会えないような本が、電子書籍なら容易にその機会を得られてしまう。そして場所は取らず、さらに「読みたい時にすぐに読めるから」という安心感がある。
電子書籍の未読本を「積み本」と呼ぶのは語弊があるかもしれないけれど、気持ちはよくわかるし、多分に同じことをやらかしている人も多いはず。電子書籍でなければ、ウェブサイトのブックマークとか、スマホのアプリでもいい。「便利で場所をとらずに蓄積でき、検索も容易」となると、ついつい「いざとなればすぐに使える」という安心感から、余計に貯め込み度合いが強くなってしまう。
まぁそれはそれで悪いことではないのだけれとも。積み電子書籍が増えてくると、今の音楽業界に起きているような「蓄積されたデータ分だけで満足だから、新しいものは余程自分が気に入ったものでないと手を出さない」という、新規購入ハードルがぐぐぐいっと跳ね上がっていくような気がしてならない。もっとも本、漫画などの場合は、作品による差異が大きいから、そこまで心配する必要は無いのかな?
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