OPECの原油投げ売りと原油価格の下落とロシアの経済危機と

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1日の外国為替市場では、原油価格の下落で産油国ロシアの経済が悪化するのではないかという懸念から、通貨ルーブルを売る動きが広がって、ドルやユーロに対して最安値を更新しました。


1日の外国為替市場では、原油価格の下落を受け、原油の輸出に大きく依存するロシアの経済が悪化するのではないかという懸念から、通貨ルーブルを売る動きが広がりました。
このため、ルーブルは一時、ドルに対しては1ドル=53ルーブル95コペイカ、ユーロに対しては1ユーロ=67ルーブル30コペイカまで値下がりし、最安値を更新しました。


シェールガスは原油とは異なる地域拡散状態にあるのと、埋蔵量が結構豊富である一方、原油採掘とは別の環境破壊を招きかねない事に加え、採掘コストが高くつくので、ある程度原油価格が上昇しないと採算が取れないというデメリットがある。昨今アメリカでシェールガスによる原油の自前採掘が進んでいるのも、結局原油価格が上がって採算が取れるようになったから。アメリカの外交戦略の方向性にちょいと変化が見られたのも、結局「シェールガスが随分使えるようになったので、これなら中東への注力減らしてもいいんじゃね?」ところが多分にある。

この状況はもちろん、お得意様の購入が減ることになる中東側では地団駄モード。そこで産出量を増やして原油価格を下げ、シェールガスの採算性を破たんさせようという思惑がある......らしい。原油などは家庭の買い物のように今日はこちらの店、明日はあちらの店って感じで、すぐに買い付け場所を変えるわけにはいかないから、中長期的にお客を引き留めておけば、相手は買い手が無くなり事業が中断しかねない(シェールガスそのものは掘らなきゃいいだけなんだけど、採掘事業企業は破たんするわな、商品が売れないんだもの)。

で、この原油周りのバトルにとばっちりを受けているのがロシア。国際原油価格が下がっているので、外貨が稼げなくなってしまった。ただでさえウクライナ情勢周りでヨーロッパとの経済関係が悪化してルーブルが下落している最中、原油価格の引き下げが続き、さらに頭を抱える状態に。


指摘にもある通り、ロシアの外交戦略にも微妙な変化が生じてきそうではあるし、他の地中海方面諸国や中東の小国で影響が生じてきそう。どうもOPECとアメリカのシェールガスとの間のチキンレースはしばらく続きそうなんで、来年はさらなる情勢の変化が生じてきそうな気がする。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月 4日 06:47に書いた記事です。

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